
02年09月15日(日)
親しい友人達と一緒に南禅寺へ行きました。
友人のひとりは、屏風画に描かれている竹林を観て、「あの竹の間隔がたまらないのだけど」といい、さらに虎を観て「昔の人ってかわいいな」と感想を漏らしていました。彼は、禅寺のどの部屋を見ても「寝てー」と言いますが、石庭などを見てもなにも感じないようです。美味そうなものを見れば食いたくあんり、いい女や男がいれば抱きたくなる、そのような観点から物に接する彼の態度は、誠に正しいものであり、羨ましくもあります。
夜の公演があるので、四時過ぎぐらいに皆と分かれて、ひとり永観堂へ行きました。釈迢空の『死者の書』の挿し絵で見た『山越阿弥陀如図』を拝するためです。閉寺が五時のため、境内には殆ど人の姿がありませんでした。受付で拝観料を払い中に入ると、寺の入り口に売店があり、そこにお目当ての山越の阿弥陀入来図のポストカードが売っていたので、「何処に行けばこの阿弥陀図を見れますか?」と聞くと、「国宝だから博物館に保管してあるので見れません」とのこと。そんなアホなと、と食ってかかっても相手にされず、仕方がないので堂内をうろついていると、有名な「みかえり阿弥陀如来」の部屋を発見、脱力して座り込みました。「永観おそし」などとひとり呟き、思ったよりもずっと小さなみかえり阿弥陀如来を拝み、壁に面した十一面観音を拝み、時間ぎりぎりまで粘って永観堂を後にしました。そういえば、今日行ったのは両方とも禅寺でした。
夜は友人達の頑張る姿を観て、その後京都の町へ繰り出し、死ぬほど飲んで宿屋へ帰り、朝方まで恋の話題で盛り上がりました。勉蔵君が「会いたい、会いたいよ」と泣き出して、大変でした。まるで修学旅行に来たみたい。