
03年05月30日(金)
朝、目を覚ますと地獄にいた。と思ったら、乱雑した我が部屋だった。週末はお掃除をしよう。
ヘンリー・ミラー『暗い春
』(吉田健一訳)を読み始める。数年前に、長野県にあるヘンリー・ミラー美術館に行ったときに購入し、未読のままだった。どうして読まなかったのかと言えば、理由はただひとつ、もったいないから。吉田健一が訳しているヘンリー・ミラーだもの、そう簡単には読み始めることは出来ないし、やすやすと読み終えるわけにはいかない。ゆっくり、ゆっくりと読んでやるつもり。ページをめくる。素晴らしい作品に出会った時の、あの感覚。あの感覚が、一頁目を読み始めるとすぐにやってくる。「笑え、とラブレーはいった」。
ウラジーミル・ナボコフの『ディフェンス
』が原作の映画『愛のエチュード』を観る。物語の進行がいくぶん性急に過ぎるようにも感じたが、良い映画だった。『ビューティフル・マインド』と比較する話も聞くが、こちらの方が全然面白い。物語にリアルを求めるとか、うんこみたいな事を言う人には向かない映画だと思う。物語だからこそ、突然に恋に落ちて突然に死ぬ。物語に「ありえない」ことなんて何もない。ところでこの映画、メイキングを観たところ、出ているスタッフのほとんどが女性だった。
空の飛去するとき、鳥も飛去するなり、鳥の飛去するに、空も飛去するなり。などとつぶやいたり。
ヘンリー・ミラー『暗い春
ウラジーミル・ナボコフの『ディフェンス
空の飛去するとき、鳥も飛去するなり、鳥の飛去するに、空も飛去するなり。などとつぶやいたり。