

村上龍原作の映画『69』を観に行ってきました。思っていたよりもずっと面白かった。帰りに原作を買って、十年以上ぶりに読み返したら、びっくりするぐらいまともな小説でびっくりしました。高校生の頃に読んだときは、面白いと思う前に、小説のスタイルに結構な衝撃を受けたように記憶しているのですが、少しは大人になったのかしら。
それで、17歳のころに自分が何をしていたのかを思いだしてみたのですが、冬に凍りついた湖の上をマラソンしていたら、氷が割れて死にかけたことや、原ちゃりで山道を走っていたら、いきなり道がなくなって崖から落ちて死にかけたことや、野良犬と遊んでいたら、前ぶれもなく突然に犬がぶちキレて噛み殺されかけたことや、野球部のひとりを「はげ」と馬鹿にしたら、野球部全員をはげと馬鹿にしたことになってしまい、リンチされて殺されかけたことや、ちゃりで三人乗りしていたら、なぜかぼくだけ金玉を思いっきりぶつけて死にかけたことや、父親に反抗したら普通に殺されかけたことなどを思いだしました。
映画も小説も、どちらかというと『昭和歌謡大全集』の方が好みかな。どちらも面白かったけど。
ここ数か月の連続した公演も終了し、ようやく鉄割の人たちも一段落落ち着いた感じです。みなさま、本当にお疲れ様でした。
ありがたいことに、最近の鉄割公演を観ていただけた各界の方々から、貴重なコメントをいただきました。トップページを観ていない方のために、ここで紹介しておきます。ちなみにトップページには、これまでにいただいたコメントのすべてを載せているので、ぜひご参考のほど。
■ キレのよさとキレのわるさのコントラストが絶妙だッ!! 魚喃キリコ(漫画家)
■ いや〜、やばいよ、死ぬほど笑って、神を見た。 畠山美由紀(シンガー)
■ おっと、どっこい。まだこういうの、生きとったんやなあ。ほんと。“バカ”をできる度胸と、“阿呆”をできるおおらかさ。いやあ、センスがないと不愉快だけの世界。こいつら、そんなギリギリの綱渡りを真底楽しんでやがる 松井良彦(映画監督)
身に染みるお言葉の数々、有難山のとんびからすでございます。
みなさま、是非とも一度鉄割の公演をごらんなさい。キレのよさとキレのわるさのコントラストの絶妙と、センスがないと不愉快だけの世界に、死ぬほど笑って神を見ること間違いなしです。本当に、是非とも一度。一度と言わず二度三度。

眼を覚ますと、ラジオからBill Withersのlovely dayが流れている。朝にlovely dayを聴くと、その日は良いことが起こるというジンクスがぼくにはあるので、嬉しい気持になる。
久しぶりに書店を徘徊。『アメリカ新進作家傑作選2003』を購入。収録されている作家のほとんどが知らない名前だけれど、編者はジョイス・キャロル・オーツだし、なによりもアメリカ文学の短篇のアンソロジーは、大抵の場合(ぼくにとって)外れが少ない。新人の作家の短篇集は、微妙なものが少なくないことも確かだけれど、その微妙な感じも面白い。
『孤独のグルメ』の感動をもう一度味わいたく、谷口ジロー著『犬を飼う
』を購入。十四年間を一緒に暮らしてきた愛犬の、最期の八ヶ月を描いた漫画。帰りにカフェに立ち寄って読んだら、涙が止まらなくて困った。
夜、横臥して今日購入した『アメリカ新進作家・・・』の最初の数篇を読む。作者はほとんどがぼくと同世代なのだと思うけれど、どれも悪くない。オーツの序文を読んでいたら、彼女の短篇が読みたくなってきた。来週にでも図書館に行って、彼女の短篇集をあさろうかな、と思う。