03年11月08日(土)

 夜中深くまで飲んでいたので、ひっじょーに眠い。眠い目をこすってお仕事へ、存分に勉強できる環境がとてもありがたい。するしないは別として。

 お給料が入ったので、岩波から出ている西田幾多郎哲学論集を購入しておこうと思ったのですが、第二巻だけどこに行っても手に入りません。Amazonで注文しようとしたら品切れの様子。岩波のサイトで調べても、やはり品切れ。えー、まさか絶版ですか。古本屋さんを何軒かまわったところ、哲学論集は発見できなかったものの、『自覺に於ける直觀と反省』を発見、即購入。

 夜、『仁義なき戦い・代理戦争』と『頂上作戦』と『完結編』を連続で観ました。松方弘樹が何度も違う役で出てきて、何度も殺されるのでびっくり。映画としてとても面白かったのですが、話の展開がよく分からなくなってしまったので、『実録「仁義なき戦い」外伝—血の抗争の鎮魂歌』を読んで復讐ではなくて復習しましょう。

03年11月07日(金)

 夜中に『ノラや』を読んで、やはり泣いて、いつの間にか寝て、起きて家を出て電車の中で読んだら泣いてしまいそうなので読むのを止めていたのだけれど、思い出してやはり涙が出てくる。ノラを思う内田のじいさんのことを思うと悲しいのは当たり前だけど、家を出たノラがもしや迷子になって家に帰ることが出来ずに、内田さんや内田の奥さんのことを思って鳴いているのではないかと思うと、本当に悲しい。見たことも抱いたことも一緒に暮らしたこともないノラのことを思うだけで、これほどまでに悲しい気持ちになるのだから、ましてや共に生活をしていた内田のじいさんと奥さんはの悲しみはいかほどなのだろう。

猫は煙を気にする様である。消えて行く煙の行方をノラは一心に見つめてゐる。彼がもつと子供の時は、家内に抱かれてゐて私の吹かす煙草の煙にちよつかいを出し、両手を伸ばして煙をつかまえようとした。しかし今はもう一匹前の若猫だからそんな幼穉な真似はしない。ぢつと見つめて、消えるまで見届ける。
「こら、ノラ、猫の癖して何を思索するか」
「ニヤア」と返事をしてこつちを向いた。

 夜、看護婦さんたちとお酒を飲みに下北沢へ。阿呆ほど酔っぱらって気持ち良く、二件目へ、梅酒をがぶ飲み、とても楽しい会でございました。また遊びましょうね。

03年11月06日(木)

 よく行く古本屋さんにて、内田の百けんさんの文庫がまとめて放出されているのを発見。絶版になっている福武や旺文社のものなどは結構な値段がついていて、これらの本をこの店に売った方、ぼくに直接売ってくれれば、この店の買取値の五倍で買ったのにい。仕方がないので『ノラや』だけ買いました。絶版になっていないためか、三百円。

 秋の夜長に読みましょうと、ぱらぱらとページをめくってみたところ、いやだなあ、読んだら絶対に泣いてしまいます、これ。本当にいやだ。

 ノラは三月二十九日に出て行つたのだから、三月三十日の朝だつたかも知れない、目がさめて、昨夜ノラが帰つて来なかつたと思つた途端、全然予期しなかつた嗚咽がこみ上げ、忽ち自分の意識しない号泣となり、涙は滂沱として枕を濡らした
 今となつて思ふに、その時ノラは死んだのだらう。遠隔交感の現象を信ずるも信じないもない。ノラが私の枕辺にお別れに来たに間違ひない

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大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
いたりいなかったりする。

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