

雲ひとつない青空!
「新潮」のたしか十月号だったと思うのですが、釈迢空の特集で、川本喜八郎氏が釈迢空の『死者の書』をアニメーションにしていると書いてあったことを思い出して、ちょっと調べてみたところ、川本喜八郎氏のサイトで、大々的に『死者の書』のアニメーション化を宣伝しておりました。予定を見ると完成は来年の九月、ううむ、随分と先ですねえ。期待して待ちましょう。
数年前に戌井宅から無断でお借りしたバリー・ユアグローの『セックスの哀しみ』という短編集があるのですが、先日、本棚の奥で眠っていたその本を発見し、うんこをしながら読んでいたところ、あまりに面白過ぎてうんこの時間が長引きました。それでうんこをするのをやめて、床に横になってさらに読み続け、半分ぐらい読み終えたところでこの短編集の原題が気になったので本の最初を開いたところ、かわいらしいAmazon.comのメモが貼り付けてあり、そこにはこの短編集を翻訳された方から戌井さんへの素敵なメッセージが記されておりました。どうやらこの本は、翻訳者さんからプレゼントされたものらしい。戌井という人に対して、悪いことをしたという気持ちを持つことはほとんどないのですが、さすがこのメモを見たら、この本を無断で拝借して少々悪いことをしたなと思いました。自分の好きな人や尊敬する人から送られた本というものは、とても大切ですから。ぼくも大好きな人からいただいた本を、今でも大事にしています。でもまあ、かわいい後輩のしたことですから、あまり気にはしていません。この本は、次の訪問の時にでも、こっそりと返しておきましょう。少し早いサンタさんからのプレゼントということで。
夜、フランソワ ・オゾン監督『8人の女たち』を観ました。最初はどうなることかと思いましたけれど、かなり面白い映画でした。『ピアニスト』のイザベル・ユペールがとても良かった。最初は彼女だと気付かなかったけれど。

本屋さんを徘徊。昨日、『戦場のフォトグラファー』を観て、未読だったスーザン・ソンタグの『他者の苦痛へのまなざし』を思い出し、購入。ついでに文庫になった関川夏央著『二葉亭四迷の明治四十一年
』も購入。二葉亭という明治の文人を中心に描いた、明治の群像物語。こちらも読むのが非常に楽しみ。
夜は三軒茶屋で、いわしを食す。がぶりがぶりとお酒と共に。
会に来ていたある方が、なんと雪山を経験しているということで、それならば是非にということで、今年の春先ぐらいに、雪山をご同伴していただくことを確約いたしました。まだ二年ぐらい先になる予定だった雪山登山、思いがけず早速に挑戦することに。酒の席での話などとは言わせません。冬山をなめていては殺されます、毎日の踏み台昇降運動の時間を、明日から倍にしましょう。内と戌も、さっそくトレーニングを始めてください。
アイゼンやらピッケルだの、冬山登山の用具を買わなくてはいけません。

新しく創刊した雑誌『Ku:nel』を立ち読みしていたら、武田泰淳・百合子夫妻の娘である武田花さんが両親のことを語っている記事を発見。子供の頃、花さんは母親である百合子さんに「すぐに迎えに来るからここで待ってて」と言われてそのまま忘れられてしまい、周りになにもない石切り場で数時間ひとりきりで放置されたことがあるそうです。現在写真家として活躍する花さんですが、今の彼女が撮る写真の風景は、その時に母親を待ってひとりで見ていた風景と似ているような気がする、と記事の中で言っています。なんとなく心に残るお話。
戦場カメラマンであるジェームズ・ナクトウェイを追ったドキュメンタリー映画『戦場のフォトグラファー』を恵比寿の写真美術館で観てきました。映画自体は面白かったし、ナクトウェイの写真もさすがに衝撃的でしたが、ナクトウェイ氏の姿勢や発言が、最初から最後までなんとなく釈然せず、うーん、頭がごちゃごちゃしているので、このことについてはまた後ほど。
写真美術館で現在開催中の『〜士(さむらい)〜日本のダンディズム』展がめちゃくちゃ観たい。今日は時間がなくて観ることができなかったので、また今度ゆっくりと観に来ることにしましょう。11月15日は、普段は高知でしか見ることができない「坂本龍馬像(一番有名な龍馬の写真)」が写真美術館にやってくるらしいので、その日に行こうかな。