
明治三十四年十一月六日、俳人正岡子規は夏目漱石に生涯で最後の手紙を送りました。その手紙の書き出しは、以下のようなものでした。
僕ハモーダメニナツテシマツタ、毎日訳モナク号泣シテ居ルヤウナ次第ダ。
衰弱しきった正岡子規が書いたこの言葉を、最近なにかにつけ思いだします。と、申しますのも、ぼく、すっかりプレステ2にはまってしまっているわけでして。
ゲームをすることがいけないのではないのです。ゲームをやめられない自分が不甲斐ないのです。一時間なら良いのです。十時間以上もぶっ通しでやってしまうのは、精神がたるんでいるが故のことではないかと思うのです。
映画を観れば思うところ有り、小説を読めば思うところ有り、音楽を聞けば思うところ有り、散歩をすれば思うところ有る。けれども、ゲームをやっても、思うところがあまりないのです。これは、単にぼくとゲームという表現形態とぼくの相性の問題なのだと思うのですが、ゲームを終えたあとに残るのは、罪悪感だけなのです。アア、マタヤッテシマッタ。
今年という年こそは、日々を精進し、どんな些細なものであってもよいから、必ずなんらかの仕事を成し遂げようと決心しばかりであるにもかかわらず、朝起きて、ゲームをし、昼食を食べてゲームをし、昼寝をして、夕方再びゲームをし、夕食をしながらゲームをし、明け方までゲームをしております。そうして、そのように家にこもっている自分に対し、ぼくはこう思います。僕ハモーダメニナツテシマツタ、毎日訳モナクゲームシテ居ルヤウナ次第ダ。

それでは、ラチェット朝まで行かせていただきます。
以前にもこの雑記でちょっとだけ書きましたが、西岸良平さんの漫画が大好きでして。
現在連載中の『三丁目の夕日』もとても良い作品だと思いますが、ぼくが好きなのはやはり『鎌倉物語』で、こちらも(おそらく)連載中ではあるものの、めちゃくちゃ不定期でして、単行本も数年に一回しか出ません。ついこの間十九巻が出たばかりなので、二十巻が出るまで、また何年か待たないといけません。
先日、鉄割のお手伝いさんであるさとみさんから、こんなサイトを教えていただきました。
このサイト、素晴らしいです。今度鎌倉に行くときは、是非ともガイド代わりにしましょう。
さとみさんは、ぼくが『鎌倉物語』のファンだということは知らずに、ただ単にぼくがここに興味をもつのでは、ということで教えてくれたのですが、ぼくが田谷山定泉寺瑜伽洞に興味を持つのではと考えてくれたことと、それが鎌倉物語に関するサイトであったという偶然の一致が妙に嬉しくて、今度あったらびんたの一発でもくれてやろうかと思っております。センキュウ。
で、『鎌倉物語』です。魔界と人間界の境界にあり、魔物と人間が共存している鎌倉という土地で起こる数々の殺人事件を、小説家であり名探偵である一色正和が、妻の一色亜紀子と共に解決していくという、こうやって書くと何が面白いのかさっぱり分からないと思いますが、とても素敵な漫画です。漫画喫茶に行ったときには、是非御一読。

お友達とかが、「あなた、これ好きなのではないですか」などと言っていろいろと勧めてくれるのはとても嬉しいものです。