02年11月22日(金)

 HotWiredから気になる記事をふたつ。

■『究極の延命』会議報告:不死への科学的アプローチ
■永遠の命を求める人々の心理を探る

 自分は自分であり他人ではない以上、個性が別の個性を尊重することは当然のことであり、社会というものは(飽くまでも)その前提の上で成り立っていると思うのですが、それでもやはり他人というものは不思議な存在でして、ある程度までの理解は可能であっても、どうしても理解できない人というものは存在します。例えば卑近な友達の例で言えば

  • 好きな人に好きと言わずにファンという
  • 家以外でうんこをするぐらいであれば、野ぐそをする
  • いまだに演技に松田優作の影響を受けている
  • 部屋のインテリアを無印良品で統一している
  • CMで家を建てた
  • スーツを無印良品で揃える
  • 中島
  • 帰ると行って出ていって、ポン酢を買って戻ってくる

などなど。

 そんな中でも理解できないトップワンは、この「不老不死を願う人」でして、どうしてそこまで死ぬのが嫌なのか。いくら考えても理解できません。僕なんか毎日毎日、早く往生してーなー、あと50年はかかるなー、つーかよ、人生長くない?などと指折り数えているというのに。だって、死後の世界が本当にあるかとか興味あるじゃーん。くれぐれも言っておきますが、生を軽んじているわけでも、自殺したいとか言っているわけではないですよ。あくまでも、人生を生きられる限りきちんと生きて、その上でさっさと往生したい、と。こう申している次第でございます。

 それで思うのは、不老不死を願う方というのは人生が楽しくて楽しくて仕方がないのではないか、と。もう、毎日がパラダイスで、一秒でも長く生きてー!という人たちなのではないか、と。あれ?でも僕も毎日が楽しくてパラダイスだな。でも死にたくないとは思わないし。うーん、わかんねー。

 だってさー、例えば小学生の頃にうんこもらしたら、普通の人は80年ぐらいで死んで終わるけど、不老不死、あるいは驚異的な長寿の世界では、五億年とか経っても、あの人五億年前にうんこもらしたのよ、とか言われるわけでしょう。五億年もえんがちょだなんて、そんなの耐えられないわ。

 その昔、中国を始めて統一した秦の始皇帝は、死の恐怖に駆られ、国を挙げて不老不死の研究に取り掛かりました。徐福伝説なんかもその一端です。始皇帝の場合、中国を統一してしまったり、妾が5000人いたりとかして、現世に欲が出たとしてもおかしくはないとは思いますが、ヒットラー並に被害妄想が強かったらしく、生きていて楽しー!と思っていたとはとても思えません。むしろ晩年にかけては、自分以外の人間のすべてが信じられずに、半分気が狂っていたとも言います。そんな彼でも死ぬのは嫌だった。不老不死を願っていたのです。

 人が不老不死を願う気持ち、あるいは死を願う気持ちというものは、現世の状況が影響するような問題ではないのかもしれません。現世の状態がどうであれ、不老不死を願う人は不老不死を願うし、死を願う人は死を願う。そこに理由を求めれば、おそらく何らかの言葉による説明は得られると思いますが、それはあくまで言葉の理由に過ぎず、その奥にはもっと根源的な原因があるのではないか、などと。簡単に言えば、わたくしの持論である「原因は必ずしも結果を生むわけではない」ということです。

 いずれにしても、もし自殺が罪なのであれば、不老不死も罪なのではないかと。そう思うわけであります。

しこーてー

私は永遠に生きたいとは思わない。永遠に生きるべきではないからだ。われわれが永遠に生きるべき存在だとしたら、永遠に生きることができるはずだ。だが、われわれは永遠には生きられない。だから、私は永遠に生きたいとは思わない。
(1994年のミス・アラバマの言葉)
02年11月21日(木)

 ユーロスペースで上映されている「チョムスキー9.11」がもうすぐ終わってしまうので、急いで観に行かなくっちゃ!と思っていたら、こちらのサイトで同映画のDVDが既に発売されているという情報を発見。

 なんだよー、じゃあ観に行かなくていいじゃん。というわけで、早速Amazonでご注文しましょう。

ちょむっち

 ところでぼく、DVDプレーヤー持っていないのですけど。ま、いいや。

02年11月20日(水)

 月に一度、「映画を観て誉めよう会」というものを行っております。友人と一緒に映画を観に行き、それがどのような駄作であっても必ず誉めなくてはいけないというのがこの会の趣旨でして、今回観に行ったのは、ロバート・アルトマン監督の『ゴスフォードパーク』でございます。

ごっす レイモンド・カーヴァーの短編をオムニバス風にしてひとつの作品へと作り上げた『ショート・カッツ』以降、ぼくの中でアルトマンという監督は外れなしの監督でして、悪名高き『カンザス・シティ』でさえも楽しんでしまったぼくにとっては、この『ゴスフォード・パーク』は観る前から貶しようのない作品だったので、感想はと言えばもちろんすげーおもしろかった!当初、主な登場人物だけでも20人以上ということで、話がややこしくなるかしら、と危惧していたのですが、そんなことは全然なくて、非常に良くできた、というのはサスペンスとして良くできたという意味ではなくて、物語としてとても楽しめる作品でした。

 アルトマンの作品の中で順位をつけるとしたら、一位が間違いなく『ショート・カッツ』、二位が『クッキー・フォーチューン』、三位が『Dr.Tと女たち』、そんで四位が『ゴスフォード・パーク』になるかしら。

 ところで、『ゴスフォード・パーク』のサイトを眺めていたら、こんな事が書いてありました。

本作品のように様々な登場人物がひとつの場所に集い、それぞれの人生が交錯していくストーリーは、その原点である名作の名を借りて「グランド・ホテル方式」と呼ばれている。そして本作品の舞台となっている1932年、アカデミー賞最優秀作品賞を受賞したのが、その『グランド・ホテル』だった。

 ですって。

 映画を見た後は、表参道に場所を変えて「宇明家」というお店で日本酒を飲みながらおいしい餃子をいただきました。

なかじまぎょうざ

 一緒に『ゴスフォード・パーク』を観たその友人は、「おれは演じるなら、階上の人の役ではなく、階下の人を演じたい」と力説していました。何言ってんだこいつと思いました。

ごすふぉーど

 御年77才のアルトマン翁、果たしてあと何作撮れるのか。死ぬ前にもっともっと楽しませてください。お願いですから。


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大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
いたりいなかったりする。

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