02年09月16日(月)

 人間は、自らの存在を脅かすほどの酷い経験をした時、その忌忌しい記憶を無意識のうちに脳の奥底へと追いやり、二度と思い出すことはないそうです。

 僕のカメラに残っていたこの写真。

 撮影したのは間違いなく僕なのだと思うのですが、この写真が、一体なんの写真なのか、何をしているところの写真なのか、全く思い出すことが出来ません。そして、あの日の夜の記憶も、すっぽりと抜け落ちています。

べん

 一体僕たちの身に、何が起こったのでしょうか。

02年09月15日(日)

 親しい友人達と一緒に南禅寺へ行きました。

 友人のひとりは、屏風画に描かれている竹林を観て、「あの竹の間隔がたまらないのだけど」といい、さらに虎を観て「昔の人ってかわいいな」と感想を漏らしていました。彼は、禅寺のどの部屋を見ても「寝てー」と言いますが、石庭などを見てもなにも感じないようです。美味そうなものを見れば食いたくあんり、いい女や男がいれば抱きたくなる、そのような観点から物に接する彼の態度は、誠に正しいものであり、羨ましくもあります。

 夜の公演があるので、四時過ぎぐらいに皆と分かれて、ひとり永観堂へ行きました。釈迢空の『死者の書』の挿し絵で見た『山越阿弥陀如図』を拝するためです。閉寺が五時のため、境内には殆ど人の姿がありませんでした。受付で拝観料を払い中に入ると、寺の入り口に売店があり、そこにお目当ての山越の阿弥陀入来図のポストカードが売っていたので、「何処に行けばこの阿弥陀図を見れますか?」と聞くと、「国宝だから博物館に保管してあるので見れません」とのこと。そんなアホなと、と食ってかかっても相手にされず、仕方がないので堂内をうろついていると、有名な「みかえり阿弥陀如来」の部屋を発見、脱力して座り込みました。「永観おそし」などとひとり呟き、思ったよりもずっと小さなみかえり阿弥陀如来を拝み、壁に面した十一面観音を拝み、時間ぎりぎりまで粘って永観堂を後にしました。そういえば、今日行ったのは両方とも禅寺でした。

あみだー

 夜は友人達の頑張る姿を観て、その後京都の町へ繰り出し、死ぬほど飲んで宿屋へ帰り、朝方まで恋の話題で盛り上がりました。勉蔵君が「会いたい、会いたいよ」と泣き出して、大変でした。まるで修学旅行に来たみたい。

02年09月14日(土)

 遅ればせながら昨日の夜に京都へ到着。集合は夜なので、昼間は勉蔵君と奈良へ散歩へ行きました。

 せっかく大和の地へ赴いたのだから、日本の神々に縁の深いところを歩きましょうということになり、天理から桜井までの、いわゆる「山野辺の道」を歩くことにしました。
 空を見上げると、快晴とは言い難いものの雲が掛かっているわけでもない、散歩をするには最適の天気です。

駅で物思いに耽ったり
えきでたたずむ

田圃のあぜ道で微笑んだり
ほほえみ

茶屋でおそばを食べたり
ちゃや

お墓の写真を撮ったら
おはか

心霊が写ってしまったり
こわい

石畳の道で思わず走り出したり
いしだたみ

帰りの電車の中で、今日という一日を思い出したり
ばか

とても楽しいお散歩が出来ました。
明日はどこへ行こうかしら。

ふどう


Sub Content

雑記書手紹介

大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
いたりいなかったりする。

最近の日記

過去の日記

鉄割アルバトロスケットへの問い合わせはこちらのフォームからお願いします

Latest Update

お知らせ

主催の戌井昭人がこれまで発表してきた作品が単行本で出版されました。

About The Site

このサイトは、Firefox3とIE7以上で確認しています。
このサイトと鉄割アルバトロスケットに関するお問い合わせは、お問い合わせフォームまでお願いします。
現在、リニューアル作業中のため、見苦しい点とか不具合等あると思います。大目にみてください。

User Login

Links