04年09月01日(水)

 自転車通勤をしていると、帰宅するだけでへっとへとになるわけですが、そのへっとへとの状態の時に一番食べたいのは、肉でも魚でもマクドナルドでもなくて蕎麦なのです。特に最高なのが、せいろにかき揚げ。ここの数週間、夕飯はほとんど蕎麦。ときには日本酒を飲んだりして。蕎麦屋に入るための、替えのTシャツは必携です。

 Surlyデイブさんは『ぼくたちは一日に50キロ走るただのツーリニストさ』と言っているけれど、ぼくもそのような自転車乗りでありたいと思います。一日に50キロ走ると、一ヶ月で1500キロ。結構な距離のように感じますが、走ってみると結構あっという間です。自転車と夕焼けとせいろ蕎麦。これさえあれば、毎日の生活がとても幸せなものになります。

 デイブさんの紹介文からちょい引用

ぼくの一日は16マイル(25.74キロ)の走行から始まり、ミネアポリスとその郊外を蛇行しながら走る。時間は、天候や道路の状態によって、だいたい45分から2時間程度。つまり平日は、1時間半から4時間程度は電話から離れた時間をすごす。家族のことや、友人のこと、そしてサイクリングのあらゆることについて考える時間だ。それは同時に、運動をしたり、全自動中指伸張そりかえりまくりオーバーライド機能(略してAMFEROF)を調整したり、意図せずに走行技術を磨いたりもする、素晴しい時間だ。
04年08月23日(月)

 子供の頃から将来の夢というものを持ったことがないぼくですが、この歳になってようやく夢ができました。六十歳ぐらいになって仕事を定年したら、ニューヨークに渡ってメッセンジャーになって、自転車でマンハッタンのダウンタウンを走りまくろうと思います。夢があると、人生って楽しくなるものですね。

 そういうわけで、ニューヨークのメッセンジャーたちを撮った写真集『Messengers Style』を購入しました。メッセンジャーのファッションや自転車が写っているのかと思っていたら、ファッションばかりで自転車は三台しか乗っていませんでした。その三台はとてもかっこよかったのですけれど。はやく定年を迎えてメッセンジャーになって、彼らといっしょにアレイ・キャットしたい。

04年08月19日(木)

 夏休み明けから自転車通勤を始めちゃいました。朝目を覚ますとまず窓を開けて、気温と天気と風を確認します。ちゃり通勤にとって一番困るのは逆風です。風がない日は一安心。なんだかこんな自分、以前にもどこかで経験しているような気がします。そうだ、リック・バスの素晴しい短篇小説『見張り』に登場するジェシーの行動だ。

朝目ざめると、ジェシーはまず空模様を点検した。それから、裸のまま裏手のベランダに出て、風を調べる。風がなければリラックスし、自分の人生に満足した。もし少しでも風があると、毛を剃ったくるぶしや丸っこい脚をかすかに撫でるだけでも、にわかに険悪な、思いつめたような顔になって、家に戻ってコーヒーを淹れた。いったん風が吹いたら、もうその日は絶対止まない。朝のうちに微風だったら、昼過ぎにはかならず本物の強い風に変わっている。野原の温度が上り、冷えて、また元に戻る。自転車用ウェアみたいにつるつるの空気の塊が、滑るように自転車を行き来し、木々のあいだをくねくねと通り、吹き抜けられる場所を探し、もっとも抵抗の少ないルートを求めながら進んでいく。
リックバス『見張り』より

 以前から大好きな作品ではありましたが、今こうして自転車を乗るようになってから読み返してみると、これまで単なる脇役だったジェシーの存在が、なんとまあ素敵でおもしろく感じることでしょう。物語の主人公は、ホリングズワースでもバズビーでもなくて、このジェシーだったように思えてきます。「風がなければリラックスし、自分の人生に満足した」という気持ち、とてもよく分かりますよ、ジェシーさん。風が吹いている日には、とりあえずコーヒーを淹れる気持ちも、とてもよく分かる。ただその前に、部屋着ぐらいは着た方がいいと思う。

あいつらきっとみんなオカマだ、か弱い奴らさ、何しろこんななよなよした女々しい名前をつけられちまうんだからな、とホリングズワースは考えた。でもジェシーのことは好きだった。そしてそれ以上に、ジェシーの自転車が好きだった。黒のシュウィン。重くて古いその自転車に乗ったジェシーは、フランス人たちについていくのにひどく苦労していた。

 ジェシーの乗っていたこの黒のシュウィン、是非とも見てみたい。そして乗ってみたい。


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大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
いたりいなかったりする。

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