長島さんの新しい写真集『not six』の展覧会のオープニングパーティーに行ってきました。今回の写真集では旦那さんである南辻くん(鉄割の役者さんでもあります)がモデルになっているのですが、これがもう、ちょー素敵な写真集なのです。とても良い小説を読んだ後のような気持ちになりますよ。1月16日まで表参道のNadiffで写真が展示してあるので、鉄割リトルモア公演とセットで是非ともよろしくお願いします。
オープニングパーティー終了後、みんなでお食事に行きました。馬鹿な話とえろい話でとても楽しかったけど、人生をもっとがんばらなくちゃなーと、久しぶりに思いました。酔っ払ってると楽しいけどね、もっと充実するためにも、精進精進。
戌井さんに借りたデイヴィッド・グーディスの『ピアニストを撃て』読了。最高に面白かった。本当に面白かった。いわゆるパルプノワール系、セリ・ノワールの小説なのですが、始まりからラストまで、セリフも物語の展開もほとんど完璧なぐらい面白かった。話を要約すると、キレると恐いピアニストが、極悪兄弟のいざこざに巻き込まれて雪の中をにげまくるという、コーエン兄弟が映画にしたらとても良いコメディになりそうな物語ですが、笑いなどまったくなく、ハードにボイルドされた物語です。とにかくもう、物語の展開がうますぎてかっこよくて、突然に過去のフラッシュバックなどが挿入されるのですが、それがまた効果的で良くて、ぐいぐい引き込まれます。読み終わった後、気持ちがクールなピアニストになってしまって、実生活に戻るのに少々苦労しました。
このグーディスという作家の存在をぼくはこの小説で初めて知りました。調べてみると全部で20冊の長編小説を書いているのですが、翻訳されているのはこの『ピアニストを撃て(Down There)』と『狼は天使の匂い(Black Friday)』、それからすでに絶版になっている『深夜特捜隊』(Night Squad)と『華麗なる大泥棒』(The Burglars)の四冊だけ。ペーパバックでも良いので、他の作品も読んでみたいです。ちなみに、翻訳者をみると『バイク・ガールと野郎ども』の訳者である真崎義博さんでした。この人って本当に面白い小説ばかり訳してますよね。ハヤカワ文庫でもたくさん翻訳しているのに、『森の生活』なんかも訳しているという、なかなか魅力的な翻訳者さんです。要チェック。
「なにが起こるって?何を言おうとしているんだ?」
「衝突よ」『ピアニストを撃て』より
グーディスの作品は映画化もたくさんされているので、ぜひとも観てみようと思います。とりあえずはトリュフォーの『ピアニストを撃て』を観てみましょう。
まあ、同じことをしている人たちが同じ場所で日記を書けば仕方のないことなのですが、日記の内容がだぶってしまって困ります。そういうわけで、だぶってしまった写真を何点か。
中島兄弟。
かわいい犬。
挨拶する勉蔵くん。
どれも他の人の日記ですでに書かれていることなので繰り返しませんが、一番下の勉蔵君のことだけちょっと書かせてください。桜庭勉蔵くんの初監督作品『行方知れズ 渋さ知らズ1999-2000』が、アップリンクファクトリーで土日のみのレイトショーで公開されています。今をときめく渋さ知らズのドキュメンタリー映画です。友だちであるということを抜きにして、非常に素晴らしいドキュメンタリ映画でした。途中、少人数の演奏で、それぞれのアドリブがどんどん盛り上がって行くシーン、ぼくの心臓の鼓動も同様に盛り上がって行ってしまい、呼吸が止まるかと思った。お時間のあるかた、是非とも観に行ってください。損はしないと思います。
この作品は、1999年6月から2000年6月までの渋さ知らズの映像記録である。渋さ知らズの「フジロックフェスティバル」初出演が2001年夏のことであるから、いわばアンダーグラウンド最後期の記録といえる。そのライブにおける尋常でない参加人数、熱気、パフォーマンスとその質の高さ、全てが今までに体験したことのない、あるいは音楽の歴史から見ても前人未踏の領域に達しているであろう、渋さ知らズ。その生命力は一体どこから生まれるのか、そしてその全てを許容し、自由を与えながら、しかしその実全てを支配している"ダンドリスト"不破大輔という男はどういう人間なのか、それを知りたいという欲求に突き動かされ、監督、桜庭勉蔵は彼らに取材を申し込む。
「行方知れズ」これは渋さ知らズの名曲でありこの映画のタイトルでもあるが、監督自身も含め渋さ知らズの存在自体が行方知れずな、そんな1年間を追った、貴重なドキュメンタリーである。