
起床。奈良へ行く夢を見た。ああ、奈良へ行きたい。
奈良をゆっくりと歩きたい。お寺を巡って仏像に拝し、時代の余韻に浸りたい。散歩をしながら、道の端に横たわっている石仏に挨拶をしたい。通りがけの蕎麦屋によって、そばがきを注文して粋ですねとか言われたい。それは江戸か。夕方に、浄瑠璃寺の境内に寝ころんで考え事をしたい。好きな人に手紙を書いてしまったり。適当に宿を決めて、無愛想な女将にむかつきたい。夜は夕涼みに散歩して、いい感じの居酒屋に入って日本酒を注文して、退屈に酔っぱらいたい。ほろ酔い加減で店をでて、夜の風に吹かれながら空を見上げたい。石につまずいて転んだり。途中で入ったストリップ劇場で、つげの気分を味わいたい。床について、小難しい本を読んでいつの間にか眠りたい。次の日もお寺巡りをするのです。
『ムーミン谷の仲間たち』がすばらしく面白い。中でも『世界でいちばんさいごのりゅう』と『ニョロニョロのひみつ』が特に良かった。翻訳家である山室静さん、ムーミンの翻訳はとてもよろしいのに、作品に対する評価がぼくとは正反対で、『ムーミン谷の彗星』がいまいちとか、この短編集で言えば『ニョロニョロのひみつ』が失敗作とか言っている。『ニョロニョロのひみつ』は、ある岬で見たニョロニョロの姿が忘れられず、「ぼくはもうベランダでお茶なんかをのんではいられないぞ」と決意して家を飛び出したムーミンパパのお話。ニョロニョロはただ自分たちの思うままに動いているだけなのに、それに対するムーミンパパの戸惑ったり気付いたり悲しくなったり懐かしくなったりする心の動きがとても面白い。物語中にたびたび登場するムーミンママもとても素敵。ムーミンパパのシルクハットには、「ムーミンママからムーミンパパへ」ってペンキで書いてあるんですって。だからムーミンパパは、自分自身が信用できなくなってもぼうしだけは信じることができるんですって。
最近、走っていないなあ。走ろう。明日から走ろう。
起床。あ、あたまが痛い。のどが痛い。風邪をひいちまった。
『ムーミンの哲学』を購入。以前に『クマのプーさんの哲学
』を読んだときは、『クマのプーさん』自体をほとんど知らなかったのであまり楽しめなかったが、今回はムーミンなので大丈夫だろう。と思っていたら、この本はトーベ・ヤンソンのムーミンではなくて、「アニメ版ムーミン」をもとに書かれているらしい。うーん。まあでも、クマのプーさんよりは楽しめるだろう。目次を見た限りでは、なかなかいい感じ。読み終えたらまた感想をアップします。
『多文化社会アメリカの歴史』を読む。800ページを越えるとても分厚い本なので、読了するにはかなりの気合いが必要だけど、巻頭に掲載されている写真がとてもよろしい。好みによるが、アメリカの歴史は二十世紀以前がとてもおもしろいと思う。一番面白いのは1492年、コロンブスがアメリカに到着してからの百年、次に面白いのが1620年、ピルグリム・ファーザーズがアメリカに到着してからの百年、その次に面白いのが1776年、独立宣言からの百年、次に面白いのが1861年、南北戦争からの四十年。残念ながら、それ以降のアメリカの歴史はあまり面白くない(それ以降は、世界史が面白い)。けれども、ぼくが一番興味があるのはそのあまり面白くない二十世紀のアメリカと、ヴァイキングがヴィンランドに到着した1000年前後のアメリカで、この夏はその両者に関して詳しく勉強したいなあなどと企んでいる次第。
最近、節約のためできるだけ自宅で本を読むようにしているのだけど、自宅だとすぐに山の本に手が伸びてしまう。ああ、山に登りたい。八月中にひとりでどこかに登ろうかしら。
起床。ムーミン パペット・アニメーションを観に行こうと思っていたのに、寝坊。朝食にトーストとグレープフルーツ。
午後、図書館へ。今日は一日中ゆっくりたっぷり図書館を満喫しようと思っていたのだけど、図書館というところは本を読んでいる女性がやたらとたくさんいる。以前の日記にも書いたけれど、ぼくは本を読んでいる女性に弱いので、懸命に読書に集中しようと思っていても、本を読んでいる女性がいるとついつい目が向いてしまう。本を読んでいるというだけで、多少ぶさいくでも美しく見えてしまうから恐ろしい。いかんいかん、読書に集中できません。やむを得ず本を十冊借りて退散。
『口語訳古事記 完全版』を購入。以前に文学界で短期連載していた同著者による『古事記講義』を読んで以来、ずっと欲しかった一冊。でも高っかいのですよ、この本。3333円。なので購入を踏みとどまっていたのだけど、本日、古本屋さんで1800円で発見、即購入。
ヘンリー・デイビット・ソローが時について言っていた言葉ってなんだっけと思って調べてみたら、「ときをまなぼう」というセイコーが作っているサイトを発見した。なんだか面白いぞこのサイト。お子さん達に「とき」を説明する。勉強になります。
で、知りたいと思っていたのがこの言葉。
時間とは、私が釣りに行くただの小川にすぎない(H.D.ソロー)
風邪を引いたのかしら。体の節々が痛い。