02年11月09日(土)

 最近、16時から16時半ぐらいの間に、こっそりとお仕事場を抜け出して、しばし路上でゆうがたのとろりとした時の夢を見ております。

ゆうやけ

 写真だと良く分からないと思いますが、夕焼けの具合がとてもよろしくて、地面も、木々も、人も、僕自身も、辺り一面がオレンジ色に染まっております。ああ、気持ちいい。

 尾崎放哉は「たつた一人になり切つて夕空」などと詠んでおりますが、この句の素晴らしさを、しみじみと感じます。

ゆうひ

 それにしても、夕日に身をゆだねながら思うのは、あの西日を拝みながら一心に極楽浄土を思い描いていた妙好人のことで、極楽浄土を想念すれば往生できると信じていた彼ら彼女らが、一体どれだけの想像力を働かせて夕日の彼方西方十万億土の阿弥陀如来に想いをはせたのか。より美しい極楽浄土を夢想すれば、死に際して阿弥陀如来が来迎してくれる信じていた彼らが、何年何十年と極楽浄土と彼岸を想い続け、生涯を通して南無阿弥陀仏を唱えていただろうと想像すると、こうしてのほほんと夕日に身をまかせている自分の幸福に、罪悪感を感じると同時に、一生をかけて彼らが思い描いた極楽浄土の、その想像力に心を魅かれてしまいます。

ゆうひ

今日も夕陽となり部屋に座つてゐる - 尾崎放哉
02年11月08日(金)

■月着陸“疑惑”にNASA反論、ますます怪しまれる?

 このような「国民は騙されている!」的なお話って、本当にどうでも良くて、ムーとかって基本的にユーモアの雑誌なのだと思うのですが、あれを真面目に読んでいる方とか、そういう人しかこんな話題に興味を持たないだろうと思っていたのですが、結構びっくりするぐらい普通の人とか友人とかがこのような話題に反応しております。中には本当に真剣に「あれは月に行っていない!」とか力説する人とかもいて。アポロが月に行っていようと行っていまいと、ぼくちんどちらでもじぇんじぇんノープロブレムでーす、とか言ってリアクションを誤魔化しております。

 基本的にジョークとしてのこの種の話題は嫌いではないのですが、肯定派はさした論証もせずに肯定するし、否定派は何の根拠もなく否定するし、そんなことを考えている暇があったらうんこでもしていたほうがましなのですが、最近気付いたことには、幽霊の存在とかを肯定している人は、月着陸に疑念を抱きがちである、ということで、それがどうしてなのかそこらへんの因果関係はよく分かりませんが、政府とか権力とかの陰謀説などは支持しがちなのですね、そういう人。あくまでもぼくの友人に関していえば、ですけど。

 などといいながら、こんなサイトをチェックしたり。

■人類は月に行っていない!?

 こんな風にひとつひとつを論証していっても、疑惑を持っている人はまた別の疑惑を言い出すのでしょうから、あまり意味がないのです。先の記事にも書いてある通り、月着陸が真実であるのなら、無視するのが一番でしょう。

あっぽろ

 こんな話よりも、もっと楽しいお話をしたいものです。書いておいて何ですが。

02年11月07日(木)

 全く本当に勉蔵という男は、自分と惚れた女には甘いくせに、他人と映画には厳しいなあ、その厳しさを自分自身に向けられれば、出来る子なのになあ、と思いながら、石神井公園を散歩しました。

 平日の昼間の石神井公園というのは、まことにもっておじいちゃんおばあちゃんばかりでして、ひとりでにやにやしながら逍遥している若者なんてぼくぐらいしかおりません。
 池の風景を写生しているおじいさまなどを見た時に、後ろから蹴り倒したくなる気持ちは、原宿の路上に生息する変な習字を売りつけているみつお派の方々をぶっ飛ばしたいと思う気持ちに通ずるものがございます。

あっきー

 どうしてこんなにも石神井が好きなのか、自分でも良く分かっていないのですが、他の公園を歩いても、無意識に石神井と比較して、ああ、石神井を歩きたい、などと思ってしまいます。風に吹かれ、枯れ葉を踏み、大きく深呼吸して石神井の風情を味わいます。

あっきー

 菜根譚に曰く、林間の松韻、石上の泉声、静裡に聴き来たりて、天地自然の鳴佩を識る。草際の煙光、水心の雲影、間中に観去りて、乾坤最上の文章を見る。
 散歩の楽しみは、まさしくそこにありまする。

あっきー

 石神井公園には、大勢の猫ちゃんが住みついております。この方の佇まい、まさしく泰然と云うにふさわしく、常日ごろより忙しないわたくしなどは、見習わなくてはいけないと思います。写真で見ると分からないと思いますが、すげーでかいのです、この猫ちゃん。かっこいい。

あっきー

 趣を得るは多きに在らず、盆地拳石の間にも、煙霞は具足す。景を会するは遠きに在らず、蓬窓竹屋の下にも、風月は自からはるかなり。
 勉蔵君に、菜根譚のこの言葉を贈ります。

ねこちゃん

 勉蔵君も、是非一度石神井公園を散歩してみませんか。楽しいよ。


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雑記書手紹介

大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
いたりいなかったりする。

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