帰りに、本屋さんで『トーベ・ヤンソン短篇集』を購入しました。
本を買ったのは、ずいぶん久しぶりのような気がします。
ようやく、新しい住居に慣れてきたのかな。
夜に、映画『北斎漫画』を観ました。
小学生の頃に始めてこの映画を観たときは、タコと樋口可奈子のあまりにもエロ過ぎるからみが衝撃的でしたが、久しぶりに観たら田中裕子の方がずっとえろかった。
ああこれが成長といふものか、と思いました。
『百日紅』でも『北斎漫画』でも、北斎のむすめのお栄さんがとても素敵です。
北斎の人間性にはそれほど強い魅力を感じないのはどうしてだろう?
ぼくはいつも、物ごとの中心となる人物よりも、そのそばにたたずむ人物の方に気が行ってしまう。
そしてそういう人物は、大抵の場合、女性です。
目を覚ますと、外の天気がとても良い。
フローリングの床が太陽の陽を浴びて、ぴかぴか光ってぽかぽかしています。
そういうわけで自転車に乗って、ふらふらと上野へ。途中、松を見るために皇居に寄りました。
先日、杉本博司展で松の水墨画のような写真を観たときに感じた奇妙な印象がなんだったのかを考えるために。
その後、上野で北斎展を鑑賞、あまりの人の多さに辟易、作品の面白さに感動。
全部観るのに四時間もかかりました。さすがにちょっと辛かったです。
個人的には、後半の技巧を凝らした作品群よりも、前半の線の細い浮絵の方に惹かれました。多少のひねくれ心も手伝って。
浮世絵はやはりかっこいい。
夜は、梨木香歩著『家守綺譚』を読書。
一番最初の章のタイトルが、「サルスベリ」。
なんとなくの、偶然。
新しく引越してきた町は、今まで住んでいた町よりも静かで、雰囲気も良いので、公園に池がないこと以外はとても気に入っています。
特に嬉しいのは、猫の数がやたらと多いところ。
家のすぐそばの子育て地蔵には、夜になると二匹の猫が常駐しているし、マンションの玄関にもたいてい二三匹の猫がうろうろしています。
ちょいと散歩をすれば、あちらこちらで猫に出会います。
ほとんどの猫は簡単には近づいてきませんが、中には「チッチッ」と話しかけると、全速力でこちらに走って来て、すごい勢いでゴロゴロいいながら体をなすりつけてくる子もいます。
そんなに簡単に人を信用すると、皮をはがれて三味線にされてしまいますよ、と警告しても、やはりゴロゴロ。
せっかく猫と共棲が可能なマンションに引っ越したのですが、まわりにこれだけ猫がいるなら、無理して一緒に住まなくても良いかな。と思ったり。少しだけ。
夜、梨木香歩著『家守綺譚』の続きを読書。
ベッドに横になってこの本を読むと、夜の感じがとても良くなります。