04年05月01日(土)

 桜庭の勉から手紙が届き、中には一通の手紙とテープが。手紙には「天上天下眼鏡独尊」という一文。一体全体なにごとかとテープを聞いてみると、おもむろに勉蔵のベースが始まり、そのフレーズがやたらとかっこよく、続いてぼくのドラム、これまたとてもかっこよい。さらに戌井さんのギターが神経質そうに入り、シンプルだけでめちゃくちゃかっこいい音楽が始まりました。そのまま聞いていると、なんとも言えぬ素敵なボーカル、なんだこりゃ、かっこよすぎるぞと思い、っていうかこのボーカル誰?こんなかっこよい曲を録音した記憶はないぞ、とテープのインデックスをみると、そこには味のない汚い字で「Public Image Ltd. Albatross」と書かれてあります。なるほど、どうやらこの曲は、勉蔵のベースでもぼくのドラムでも戌井さんのギターでもなく、ジョン・ライドンのP.I.LのAlbatrossという曲のようです。それにしても、なんだこれかっこよすぎますよ。

 そういうわけで、現在このAlbatrosstという曲などを練習しておりまして、五月の五日に新宿のfreakという場所でライブをします。今回はおんぴーちゃんではなくて、ズンギバーグという完全に桜庭プロデュースのバンドです。普段から偉そうにCDレビューなんかしている彼の手腕で、ぼくたちがどのように化けるのか、非常に楽しみです。お時間のあるようでしたら、是非ともお待ちしております。

04年05月02日(日)

 Kiiiiiiiの雅楽子さんのお誘いで、戌さんと麒麟さんと新宿のでっかいキャバレーに素敵なおかまさんたちの演劇を観に行きました。赤ジュータンのキャバレーなんて、生まれてはじめて行きましたよ。もちろん女の子がつくはずもなく、いつもの鉄割のりでビールを飲みまくり、酔っ払いまくりで、とてもきもちよくお芝居を観賞いたしました。雅楽子さん、ありがとうござんす。

 その後、戌麒麟と一緒に新宿の焼き鳥屋さんへ。またもや飲みまくり、へろんへろんに酔っ払ってしまいました。うー、先月今月とちょっと飲みが続いております。もう若くはないのですから、少しひかえないといけません。

04年05月03日(月)

 早起きをして上野へ。東京国立博物館へ『空海と高野山展』を観に行きました。開館時間よりも前に着いたにもかかわらず、会場の前はかなりの人だかり。覚悟はしていたものの、うざ。九時半開館。とにかく人が多いので、順路を逆に辿ることにしました。今回の展覧会の(たぶん)目玉である八大童子立像が素晴らしかったのは言うまでもなく、実にさまざまな大日如来像や曼陀羅を堪能、特に壁一面を覆いつくす両界曼荼羅図はすさまじかった!心臓がどきどきしました。けれどもやっぱり仏像は、美術館や博物館ではなく、お寺の境内で拝するのが一番だなあと、実感。人のいない静かな境内で、ひとりゆっくりと仏像さんに対面したいなあ。

 その後、上野の公園をお散歩。上野と言えば野良にゃーこ、人間不信の野良にゃーこがあちらこちらで人間に不信を表明しております。無理を承知で、にゃーっと話しかけると、やはりダッシュで逃走。同行の方に、「ネコに話しかけるのは、にゃーじゃなくてちっちっちっだよ」と嗜められました。この世に生を受けて以来、にゃーこに話しかける時はかならず「にゃー」だった身としては、ちっちっちっは邪道のように感じますが、言われてみると、ぼくが道傍で野良にゃんこに「にゃーっ」と話しかけていると、通りすがりの人が変な目でぼくのことを見ているような気がします。もしかしたら、「にゃー」がいけなかったのかしら。

 しかし、これまでの人生で「にゃー」で友達になったにゃんこは数知れず、今後も「にゃー」を貫きとおしますよ。

04年05月04日(火)

 明日のライブに向けて、スタジオで練習。スタジオのドアを開けたら、先日警察に逮捕されたばかりのMさんがPCを前に座っていてびっくり。話を聞くと、明日のライブでアナログシンセのシュミレートをしてくれるとのこと。練習をしてみてびっくり、Mさんアナログシンセの効果音、上手じゃない。いままでのおんぴーちゃんは雑音でしたが、今回のズンギバーグはノイズぐらいには成長したのではないかと、個人的には思っているのですが、さて、明日はどうなることやら。

 練習後、お酒を飲みに。またもや飲みまくり、体よりもお金がもたないような気がしますが、楽しかったのでよしします。

 帰宅後、ポール・トーマス・アンダーソン監督『パンチドランク・ラブ』を観ました。何度も言うようですが、ぼくはこのような、決して監督の代表作にはなりえない、ちょっとした作品が大好きです(このあいだ観た『ディボース・ショー』なんかもそうですが)。最高に面白かった。神経質な男性の恋愛のお話なのですが、『マグノリア』よりも10倍ぐらい面白かったです。やっぱり恋愛の力ってすごいのよ。好きな人ができれば、スーパーマンにだってなれるし空も飛べるはずだし就職だってできてしまうのです。劇中のアダム・サンドラーの「俺の中には力がみなぎっている 一生に一度の恋を とてつもなく強くなってる」なんて台詞も、ぜんぜん恥ずかしくありません。だって、恋をしている人が言っているのですから。それにしても、エミリー・ワトソンって、本当に素敵な女優さんです。

04年05月05日(水)

 ライブ当日です。二時に集合して、ライブハウスに入って打ち合せをして、外にでてポークシチューを食べて、勉蔵にロールキャベツをごちそうして、もう一度ライブハウスに戻って音合わせをして、とにかくギターの音を大きくしようとする戌井さんにPAさんが困って、外に出てスタジオに入って一時間程練習をして、まどろみそうな気持ちに気合を入れるために居酒屋に行ってへろんへろんに酔っ払って、二時間程お酒を飲んでライブが始まり、終わってからまた居酒屋に行ってお酒を飲んで、へろんへろんに酔っ払いました。

 ライブが終わってみると、なぜか戌井さんのギターがバラバラになっていて、唖然としている彼の姿がとてもかわいそうだったので、息の根を止めて楽にしてやろうかとも思いましたが、演奏の出来はともかく、やっている身としてはとんでもなく楽しかったので、またライブをするためにも、今日のところは許してあげましょう。

 次回のライブでは、是非とも向井さんにボイスをお願いしたいです。

04年05月06日(木)

 最近、どうにも体が怠け気味なので、できるだけ走るようにしているのですが、帰宅してから走るとなるとどうしても深夜になってしまい、そんな時に走りながら聞いているのが深夜12時からJ-waveで放送しているZero-Hourという番組です。この番組は、週ごとに一冊の本を選んで、朗読をするという番組なのですが、マラソンをしながら聞くととても良い感じです。今週は作品は、宝生舞さんの朗読で、林芙美子さんの紀行集『下駄で歩いた巴里』。宝生舞さんの声で聞く林芙美子さんの文章に、最初は違和感を感じたものの、聞いているうちにそれがなんとも心地よくなってきて、たとえば、

ところで、今朝はね、紅い封筒の厚い銀行からの手紙をもらったのですよ。まるで御伽話でしょう。巴里で打った電報に改造社から言っただけの金を送ってきたのです。全く奇蹟です。私は何も手につかなくて、豹のようになってしまいました。人間にはなかなか複雑な現象があるものです。ピヤノのふたをあけて、一直線に指を走らせましたが、私の今の心のままに鳴ってくれないのです。まるで、井戸の底へ石を投げるようだ。軽い、風の吹くような音というものはこの世の中にはないものでしょうか。私は思いきりこのピヤノをけいべつしてやりました。(番組では若干省略されていました)

なんていう素敵な手紙の文章を読み上げる室生さんの声があまりにもかわいらしくて、特に最後の「私は思いきりこのピヤノをけいべつしてやりました」が素敵で、ピアノをけいべつするその気持ちにも強く共感できて、走りもおのずと早くなります。という話を戌さんにしたところ、「おめえ夜中に走ると死ぬぞ!」と諌められました。

 ところで、小説の朗読で思い出したのですが、アメリカの作家トバイアス・ウルフは、ある農民と話をしたときに、次のような話を聞いたそうです。その農民は、農作業のできない冬などに、いろいろな作家の短篇小説を図書館から借りてきて、自分で作品を朗読してテープに録音し、春になるとそれを聞きながら農作業をしている。面白いものは何度もくり返し聞き、つまらないものは消去し、そうやって彼なりのベスト・コレクションを作っている。トバイアス・ウルフが喜んだのは、その彼のコレクションの中に、彼の作品が残っていたことだそうです。

 そんな風に小説を愛したいものです。

04年05月07日(金)

 鉄割の寒山きりんちゃんと藤井くんときりんちゃんのお友だちと池尻のタイ料理屋さんでタイスキをいただきました。店内はタイというよりはむしろインド風のお香のかおりが充満し、良い心持ちでシンハをぐいぐいと飲みながら、タイ鍋をほふほふといただき、良い心持ちになって二件目へ、みそかつのおいしい居酒屋で焼酎のサイダー割を一升ほど飲んでぐでんぐでんになりました。思えば三年ほど前の雪の日、初対面の女性に死ぬほど飲まされて、帰りに雪の中に倒れ込んでそのまま意識が遠のき、あやうく凍死しかけたのがぼくの人生の中でもっとも酔っ払った日なのですが、本日はそれに次ぐほどの酔っ払い。気づけば、きりんちゃんにちゅー、きりんちゃんのお友だちにちゅー、藤井君にちゅーと、ただのセクハラおやじになってしまいました。とはいえ、セクシャルな意図はまったくなかったので、セクハラにはあたらないかと、かのように思っておる次第でございます。むしろスキンタッチ?コミュニケーション?ってかんじなので、微笑ましいものです。

 池尻という街へは初めて行きましたが、まるで誰かの頭の中で適当に想像されたような、なんとも言えず奇妙な感じの街でした。今度はお酒を飲まずに、ゆっくりと散索してみたい。

04年05月08日(土)

 本日は職場の方と沖繩料理を食べに行きました。このお店、泡盛が48種類も揃っているので、是非とも鉄割の方々をつれて行って飲んだくれたいのですが、場所が大宮なので、どうせ呼んでも来はしないでしょう。料理もとてもおいしくて、とくに絶品なのが沖繩芋を揚げたドゥル天、これは一度食べたら忘れることができません。東京で食べられる場所はないのかしら。

 帰宅後、『アイデンティティ』と『フレイルティー/妄執 FRAILTY』というホラーサスペンスものを二本連続で観賞。最近のサスペンスは、一昔前では御法度のようなギミックをばんばんと、しかも巧みに使ってくるので、全く先が読めません。両作品とも、とても面白かった。ごちそうさまでした。

04年05月09日(日)

 何も予定がない休日。幸せ!

 本屋さんを徘徊。サライの今号を購入。特集は『奈良』。来月は鉄割の京都公演があるので、ついでに奈良へ旅行に行きたいなあ。さらに浅羽通明著『ナショナリズム−名著でたどる日本思想入門』を購入。浅羽氏による、筑摩書房刊『現代日本思想体系』のリメイク。読む前からわくわくします。姉妹篇の『アナーキズム』はとりあえず保留。

 その後、古本屋さんへ。ここ数年ですっかり成長して知恵のついてきたおいっこに負けないように、数学の本を何冊か購入。遠山啓著『数学入門』、吉田洋一著『零の発見−数学の生い立ち−』、『図解雑学算数・数学』、『小学校の「算数」を5時間で攻略する本』などなど。お茶を飲みながら、読書。前の二冊が特に面白い。数学を、法則としてではなく、歴史として丁寧に説明してくれる。ぼくたちが今、十進法を当たり前のように使っていることがいかにすごいことか、強く実感。『数学入門』は1959年、『零の発見』は1939年に初版が出ている。今でも版を重ねているのだから、すごいねえ。

 夜、話題の映画『パッション』を観に行きました。うわさには聞いておりましたが、すさまじかったです。宗教の心を持たないぼくでさえこれほどまでに強い衝撃をうけたのですから、敬虔な神父さん(あるいはモーパッサンの『女の一生』の中で、子供を生んでいる犬のお腹をマジ蹴りしたような、極端な信仰心を持つおばか神父さん、あるいは映画『クッキー・フォーチューン』でグレン・クローズが演じたような狂信的信仰心を持つおばかクリスチャン)たちがこの映画をみたら、悶絶するのも無理はないかもしれません。一番びっくりしたのは、劇中のキリストさんの演説になんの魅力も感じなかったこと。やはり人を惹きつけるのは、魅力とかカリスマ性などというちっぽけなものではなく、もっと根本的ななにかであるということを、メルのギブソンさんはご存知なのでしょう。とにかくすごい映画でした。もう一度ぐらい観に行ってしまいそう。恐いけど。

 誰か、釈迦の最後の十二時間を描いたほのぼのとした映画を作ってくれないかな。

04年05月10日(月)

 昨日観た『パッション』がかなりの衝撃だったのか、地獄に落ちる悪夢を見て起床。精神が落ちつきません。そういうわけで、山下敦弘監督『リアリズムの宿』を観に行きました。とてもまったりとした静かな笑いで、気持ちがほのぼの。すっかり立ち直りました。今まで観てきたつげ義春原作の映画の中では、一番好きかも。脚本も面白かった。うう、旅行に行きたいよう。

 ところで、『リアリズムの宿』でつげ氏が描いたのは、生活感がありすぎて、せっかくの旅情を損なうような宿のことでした。1970年代であれば、作品に描かれているような宿は、たしかに現実の生活を思い出させたかもしれませんが、21世紀の現代では、あのような宿ももはや旅情を感じさせるものになっています。しかし、二年前にぼくが京都で宿泊した宿、一泊3800円の安さにつられて泊まった宿は、まさしく現代のリアリズムの宿と呼ぶに相応しい、見た目はただの一戸建ての家、中に入るとただの六畳の部屋、風呂も汚くもなければきれいでもないごく平凡な風呂、一階には宿の家族がそろっているのですが、ごく平凡な中流家族。なんの面白みもない、ただの一般家庭でした。宿に入るのに、普通にチャイムを鳴らして玄関を開けてもらうのですよ。はるばる京都まで来た旅情なんてぶっとびですよ。テレビではスカーフェイスとか放映しているし。あれこそまさしくリアリズムの宿です。ぼくの旅情を返せ。

 夜、ゼロ・アワーを聞きながら公園をマラソン。今週の作品は、エドガー・アラン・ポーの短篇集。本日は『黒猫』なのですが、おそろしげな朗読に効果音、めちゃこわい。人影のない深夜の公園、しかも濃い霧がかかっていて、普段ならば幻想的に思えるはずの公園の外灯の光が、とてもおそろしく感じます。いつもは神社前の石段を五往復ほど昇降するのですが、早くこの公園を去りたいので、本日は中止して通りすぎようとしたところ、鳥居の前に猫がうずくまってこちらをじっと見ているではありませんか。まじこえー!!ラジオから聞こえるのは、『黒猫』のラスト、壁がくずれて妻の死体の上に猫がすわっているシーン。ねこさん、ごめんね、今日はちょっと恐いのよ。さらにラジオから『黒猫のタンゴ』が流れ始め、これはやばいです、あまりの恐さに全速力で公園を後にしました。

 帰りに汗だくのままビデオレンタルに寄って、『リアリズムの宿』と同じ山下敦弘監督『ばかのハコ船』を借りて、速攻で観賞。面白い。主演の女優さんがとても上手でびっくり。『リアリズムの宿』よりも、こちらのほうが面白かったぞう。

04年05月11日(火)

 先週以来、林芙美子さんにすっかりはまってしまい、さっそくに本屋さんで『下駄で歩いた巴里』と『林芙美子随筆集』を購入して読んでみたのですが、これがもう素敵すぎて、うっかり寝る前などに読もうものなら、とても良い夢を見てしまうので、次の日は確実に寝坊をしてしまうほどです。特に『下駄で歩いた巴里』に収録されている隨筆群は、もし身近にこのようなものを書く女性が存在したら、とりあえず求婚をしてしまうだろうというような素敵な文章ばかり。たとえば『文学・旅・その他』は、次のような書き出しで始まります。

年歳三十歳の若さで侘味をもとめる気持ちはおかしい話だけれども、山川の妙を慕い、段々世事を厭じる気持ちである。頃日、私は寒山詩を愛唱している。逃避文学にうつつをぬかしているかたちかもしれない。世に多事の人有り。広く諸の知見を学ぶも、本真の性を識らず。道と転た懸遠なり、若し能く実相を明らかにせば、豈に用って虚願を陳べんや。一念に自心を了せば、仏の知見を開かん。と云うこの詩が好きで、私は多事多才のひとを見ると、意地悪くこの詩を思い出すのだ。私はこの頃、ひまさえあると一人で旅をしている。

 うう、かわいい。かわいすぎる。そういうわけで本日、放置しておいてとんでもないことになってしまった奥歯を治療しに歯医者さんへ、結構な処置を施されることになったのですが、芙美子さんの隨筆を思い出して、歯医者への恐怖を打ち消していたわけです。好きな人がいれば、麻酔の注射もドリルの音も恐くはありません。問題は、この人が五十年以上昔に他界しているということです。

04年05月12日(水)

 戌井さんと内倉君と、雅楽子さんのKiiiiiiiiiのライブに行ってきました。会場は、新宿のレッドクロスとかいうあたらしいライブハウス。会場は満員で死ぬかと思いましたけれど、Kiiiiiiiiiiiiのお二人がかっこよかったので我慢してよかったです。ライブ終了後、次回公演のちらし配り。こういう地道な行為が、いつかは報われる。と思いたい。

 その後、戌と内と大久保の韓国料理屋さんへ。お刺身を肴に、マッコリを死ぬほどいただきました。いつもは寡黙な内倉君も本日はなぜか雄弁で、今度勉蔵に会ったら、ぶっころしてやると息巻いておりました。お酒とは、恐いものです。

04年05月13日(木)

 調べ物でProject Gutenbergをながめていたところ、H.G.Wellsの『The First Men in the Moon』を発見しました。ぼくが生まれて初めてはまった小説です。ぼくが読んだ時のタイトルは、たしか『月世界旅行』。児童向けに抄訳された版だったのですが、小学校の図書館で借りたその本を、何度も何度も繰りかえして読みました。なんだか不思議な気持ち。読んでみると、自分でもびっくりするぐらい内容を覚えている。たとえば、物語の語り手であるMr. Bedfordが最初にMr. Cavorを描写するシーン。とても好きだった部分なので、少し長めに引用します。

He was a short, round-bodied, thin-legged little man, with a jerky quality in his motions; he had seen fit to clothe his extraordinary mind in a cricket cap, an overcoat, and cycling knickerbockers and stockings. Why he did so I do not know, for he never cycled and he never played cricket. It was a fortuitous concurrence of garments, arising I know not how. He gesticulated with his hands and arms, and jerked his head about and buzzed. He buzzed like something electric. You never heard such buzzing.And ever and again he cleared his throat with a most extraordinary noise.

 「He buzzed like something electric」という部分は確か「彼はぎーぎーという、電気のような変な音を出していた」と訳されていて、子供心に違和感を感じた記憶があります。でも、このCavor氏が夕方にぎーぎーという音を出して散歩をしている場面を想像して、すごくわくわくしたものです。この描写を読んだだけでも、この先どのような面白い物語が展開するのか、期待できるでしょう。

 いろいろと思いだしてきたのですが、たしかこの本があまりにも好きすぎて、図書館からぱくりました。人生最初の窃盗です。これは良くないですね。ぼくのせいで、何人かの読書好きの小学生がこの小説に出逢えなくなってしまったわけですから。反省します。でも確か、卒業するときに返したような気がします。それから、この小説の挿し絵があまりにもかわいくて、何度も真似して模写し、漫画を描きました。人生最初のぱくりです。ぼくは、この小説からいろいろなことを教わったようです。

 せっかく大人になったのですから、今度はぜひとも原文で読んでみたいと思います。かなり時間はかかると思いますけれど。

 夜、スタジオで音楽の演奏を練習しました。ライブだとぐちゃんぐちゃんですが、スタジオだとなかなかいい感じ。その後、久しぶりにお会いした中島君と居酒屋でお酒をいただきました。飲みまくり。食べまくり。

04年05月14日(金)

 以前に戌井さんが客演をさせていただいた庭劇団ペニノさんの公演を観に行きました。今回は渋谷のマンションの一室をぶち抜いて劇場を作ってしまったという気合の入れようで、観る側も結構な気合が必要な感じ。ここ数年の間で観たお芝居と云えば、ペニノさんの前回の公演と今回の公演のみ。ですから他の劇団と比べようがないのですが、舞台装置が凝りまくりですっげーと感動しました。お芝居も面白かったです。もうしばらくはやっているようなので、お時間のあるかたは是非。

 その後、戌と内と奥と堤さんと渋谷でお酒を飲みに行き、芋焼酎をしこたまいただきました。彼らの顔に死相が見えたのですが、場を盛り下げるのはいやなので、黙っていました。

04年05月15日(土)

 ガス・ヴァン・サント監督『エレファント』を観に行きました。もう、どうしましょというぐらい良い映画でした。この映画は、コロンバイン高校銃撃事件を題材にして作られているのですが、ぼくとしては最後の銃撃のシーンがない方が好みの映画だったかも(あくまでも個人的な嗜好です。物語の中にテーマが見えると、興醒めしてしまうたちなので)。ちなみに、実際の事件と映画の相関性については、このサイトが詳しく説明してくれています。

 本屋さんで立ち読み。「トーベ・ヤンソン ムーミン谷の素敵な仲間たち展」が夏に開かれるらしい。忘れないようにしないと。

 夜、『リアリズムの宿』の山下敦弘監督の初長編作品『どんてん生活』を観ました。裏ビデオのダビングで生計を立てている元ヤンキーと、駄目っぽい青年のお話。これまた面白い。っていうか最高に面白い。

 なんでも山下敦弘監督の次回作は、ぼくたちの世代では知らない人はいないと思われるあの『くりぃむレモン』の実写版だそうで。ううむ。非常に楽しみだ。

04年05月16日(日)

 鉄割の方々には内緒の用事で、麻布十番へ行きました。内緒なのにどうしてわざわざ書くのかと言うと、「いったい内緒の用事とはなんだろう」と鉄割のやつらに気にして欲しいからです。でも内緒なので、聞かれても絶対に答えません。拷問されても答えません。ヒントは麻布十番です。

 帰りに渋谷で『ドラムライン』を観ました。びっくりするぐらいまっとうな青春映画で、それが逆に新鮮で楽しめました。黒人の女子大生、えろい!とにかくドラムがすごくて、思わず踊ってしまいました。サントラを買って、リズムの勉強をしよう。

 その後、漫画喫茶で漫☆画太郎の『地獄甲子園』と『ハデー・ヘンドリックス物語』と『樹海少年ZOO』を連続で読んだら頭がおかしくなりました。特に『ハデー・ヘンドリックス』が凄すぎて、「ギブミーチョコ!ギブミーガム!おくれよおくれよ兵隊さん!」のフレーズが頭から離れません。それでビデオレンタルで『地獄甲子園』を借りて観たらつまらなかったので頭が正常にもどりました。危ない危ない。

04年05月17日(月)

 昼過ぎに起床。ああ、早起きをして部屋の掃除をするつもりだったのに。だらしない自分がくやしい。くやしくてぼーっとしていたら、いつの間にかまた寝てしまい、そんなだらしない自分がくやしい。シャワーを浴びて、朝食というか昼食をとって、行くあてのない旅へ出ました。

 先日、古本屋さんで購入した『日本探偵小説全集(2)江戸川乱歩』読了。遥か昔に江戸川乱歩の代表的な作品はほとんど読んでいるはずなのに、物語の筋を完全に忘れていて、読みはじめたら面白すぎて読みが止まりませんでした。乱歩の代表作と名高い『孤島の鬼』は収録されていなかったので、文庫を買って読んでみよう。ところで『江戸川乱歩と大衆の20世紀展』が開催されるそうです。あの、乱歩の土蔵が公開されるとか。

 なぜか近所の本屋さんで雑誌サライのバックナンバーがまとめて置いてあったので、何冊か購入したのですが、その中の一冊の特集が十一面観音に関するもので、ぼくの地元、益子の西明寺の十一面観音がとりあげられていました。あのへんは子供この頃からよく遊んでいた場所なのですけれど、お寺なんて全く興味がなかったので、その存在すら知りませんでした。今度の帰省の時にでも訪れてみたい。十一面観音、大好き。

 戌さんから、先日スタジオで録音した演奏をいろいろと加工してMP3で送っていただき、聴いてみると、手前味噌ではありますがなかなかいい感じ(mp3のArtist名が「Akito Inui」になっていたのがちょっと気にはなりましたが)。その中に、中島君がずっと「コケコッコー」と叫んでいる曲があって、これがあまりにも馬鹿馬鹿ちんで、笑いすぎで最後まで聴くことができません。「コケコッコー」ですよ。演奏しているときは全然気にならなくて、曲が終わった後に、普通に「あ、コケコッコー結構いいじゃん」とか言っているのですけど。もう最高です、この曲。音楽史上、ボーカルが「コケコッコー」としか歌わない曲なんて、果して存在したのでしょうか。

 それとは別に、桜庭の勉から新曲が送られて来ました。彼のオリジナルで、タイトルは「Megane on My Eyes」。向さんが眼鏡をかけて歌ってくれるとのこと。乞御期待。

 昨日読んだ漫☆画太郎の漫画にでてくるばばあが格好よすぎたので、ばばあ映画『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密』を観ました。話としては、親の人生を知ることによって親子の間の葛藤を解消するというよくあるタイプのものですが、おばあさんたちが格好よすぎます、美しすぎます。素敵なお話でした。


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大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
いたりいなかったりする。

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