03年06月01日(日)
 起床。お給料日前なので、休日でも遊びにいけない。部屋のお掃除。BGMはCabaret Voltaireの『Plasticity』。久しぶりに聞いたけど、すごくいい。ぼくの音楽って、この辺で止まってるんだよなー。

 午後、自宅でのんべんだらりんと読書。Amazonの『アメリカを読む』という特集で紹介されていた『宗教から読む「アメリカ」』を読む。第三章『アメリカのファンダメンタリズム』で「スコープス裁判」、いわゆる「モンキー裁判」について書かれている。1923年以降、聖書の創世記を否定するダーウィンの進化論を公立学校で教えることを違法とする法案が、南部諸州で次々と成立された。テネシー州デイトンの高校に勤務する生物教師ジョン・スコープスは、この法律に対して意図的に授業で進化論を教え、裁判にかけられることになる。テネシー州の片田舎で開かれた裁判に、ふたりの大物が登場する。聖書の創世記を擁護する検事側は、民主党の大物政治家であるウィリアム・ジェニングス・ブライアン。一方の進化論を主張する弁護側は、全米でもっとも有名な弁護士のひとりであるクラレンス・ダロー。田舎の高校教師を裁くための裁判は、全米をにぎわす宗教と科学の対立の場となったのである。

 現代でも宗教と科学の問題を語るときに、(主に科学主義者側から)しばしば引用されるこの裁判は、『宗教から読む「アメリカ」』を読む限り、一般に言われるような「保守的な聖書主義であるキリスト教と、革新的な科学主義の対立」という単純な構図ではなかったようだ。この時代、ダーウィンの進化論は、社会進化論者たちによって革新主義的な「適者生存」という考え方に結びつけられていた。(実際はそうではなかったにも関わらず)ファンダメンタリストとして検事側にたったブライアンは、そのような弱肉強食の理論に危機感を覚え、聖書の創世記を主張するというよりは、宗教とか科学とかの次元を越えた「人間理解・歴史理解についての『一つの哲学』と『もう一つの哲学』の間の論争」をするために裁判に挑んだのである。

 この事件について、学生の時にNHKで放送していた『映像の二十世紀』という番組で観たことがある。その時は、保守的な聖書主義と意地悪な科学主義者のけんかのような描き方をされていて、なんだか馬鹿らしいと思った記憶がある。ぼくは宗教も科学もよくわからないけれど、それらは本質的に対立するものではないと思っている。だから、以前の日記でも少し触れた人工知能学者であるミンスキーのように、「宗教が科学の進歩を妨げた」と嫌悪感を顕にする科学者のことを考えるとき、人類の将来の事を思うと寒気がする。

 夕方、NHKの『小さな旅』という番組を観る。八ケ岳が紹介されていて、登山心をくすぐられる。六月中に、日帰り出来る山にひとりで行ってこようかな、と思う。

 夜、『ウェルカム・ドールハウス』を観る。とても面白かった。かなり面白かった。最高に面白かった。ブスの中学生である主人公が、内に秘めたる感情をほとばしりまくりでとても良かった。主人公の兄であるパソコンオタクの高校生のバンドの演奏する『サティスファクション』と、それに合せて踊る主人公の妹の女の子がとてもおもしろかった。主演のヘザー・マタラーゾ若干十一歳がとても素晴らしかった。以前と矛盾することを書くようですが、トッド・ソロンズの作品を勝手にランキングすると、一位が『ステーリー・テリング』、二位が『ウェルカム・ドールハウス』、三位が『ハピネス』になる。『ハピネス』は最下位。それぐらい他の二作が面白すぎる。いずれにしても、トッド・ソロンズ大好き。

 あれ?今月、何も予定がないぞう。


03年06月02日(月)
 起床。朝食のグレープフルーツを食しながらWebを徘徊。以前にちょいと触れたミッキーマウス保護法に関連して、こんな面白いインタビューが。ミッキー、否、ブルースかっこいい。朝っぱらから面白いものをありがとう。

 もうひとつ、『CSSバグリスト@CSSバグ辞典スレッド』という有用なサイトを発見。2chのスタイルシート関連スレッドをまとめたこのサイト、めちゃくちゃ便利。スタイルシートを使用する場合、各ブラウザのバグを把握しておかなくてはいけない。そんな時にはこのようなサイトがとても参考になる。

 午後、図書館へ行くために、バイクに乗って家を出る。いつもとは少し道順を変えて、鷺宮から妙正寺川に沿って環七の方まで走る。平日の裏道の静けさがとても良い。図書館到着。今月号の「文学界」やら「群像」やらをぱらぱらとめくって面白そうな小説を探し、「新潮」に掲載されていた舞上王太郎の新作をコピーする。二時間ほどぼーっとして、アメリカ文学周辺の小難しい本を八冊と、V.S.ラマチャンドランとサンドラ・ブレイクスリーの『脳のなかの幽霊』、深田久彌『わが山山』を借りて帰る。

 先日本棚を整理した際に出てきた、ナショナルジオグラフィックの日本版四十数冊を売り払ったところ、一万円になった。あとから考えてみると、かなりもったいないことをしたような気がするけれど、どうせ本棚の奥に眠っていたものだし。あまり考えないようにしよう。考えない。うげーもったいないい。

 夜、走る。なぜか足が止まらなくなり、すごいスピードで走る。心臓が破裂すると思うぐらい走る。やばい転んだら脱臼するというぐらい走る。やばいやばい車にぶつかるというぐらい走る。爽快。帰りに、汗だくのままマクドナルドでビックマックとジンジャーエールを購入。これが良くない。本当に良くない。


03年06月03日(火)

 なんだか食生活が不摂生になっております。養生しなくては。

 昼、『ボーリング・フォー・コロンバイン』を観たNさんから電話がきた。かなりの衝撃を受けたらしいNさんは、ぼくが今一番行きたい国がアメリカと中国であることを聞いて、 可笑しそうだった。現在、世界で一番嫌われているであろうアメリカと、(SARSを抜きにしても)世界で一番煙たがられているであろう中国。どちらの国も政治的には好きではないけれど、そのような国だからこそ行ってみたい。どちらかには行くぞ、絶対。今年中に。

 夕方、カフェでベトナムコーヒーを飲みながらまったり。ダグラス・クープランド神は日本を憎んでる』を読む。小説自体は面白かったけれど、書かれている日本像があまりにもガイジン的でがっかり。若者の書き方も陳腐すぎる。今の日本は、この小説で書かれている百倍ぐらい面白いはず。この作品がアメリカでどのように評価されたのかは知らないが、日本人の作家の方がもっと面白いニッポンを書くことができると思う。日本文化がブームの今こそ、日本の若手小説家が傑作を引提げて、アメリカに乗り込むチャンスなのではないかしら。「歴史を日本にどう適用できるかという点から言えば、もう既に終わってるのさ」。

 ミシェル・ド・セルトー『日常的実践のポイエティーク』を読み始める。読み終えるには軽く一年はかかりそう。ぼくは今、歩くということ、走るということ、見るということ、読むということ、それらの行為はそれぞれに、異なる思考を形成すると思っている。この本を読むことが、それらの事を考える手助けになるかどうかはわからないけれど、とりあえず、巻頭に掲載されているセルトーの写真がオスギに似ているのが気になる。

03年06月04日(水)
 朝起きたら腕に内出血したような痣が出来ている。なんだこれは、ぼく呪われたのか誰かに、と少し恐ろしくなったが、よくよく考えてみると、どうやら昨日の夜、夏山登山に向けて体力をつけるために行った腕立て伏せが原因らしい。たかだか五十回の腕立て伏せで内出血とは、ぼくの身体は既に老化が始まっているのだろうか。やっべー。

 買いそびれていた『The Frontier of American Comics - アメリカンコミックス最前線』を購入。『本とコンピュータ』に掲載された記事と、書き下ろしの記事で構成されていて、ページ数は多くないものの、内容はかなり濃い。オルタナティブ系のアメコミについて知りたくて買ったのだが、小野耕世氏の記事に、思いがけずピーター・ケアリーの名前を発見。まさかここで彼の名前を見るとは思っていなかったのでびっくり。記事の最初にほんの少し登場するだけだが、新作などにも言及していて、ファンとしてはそれだけでも嬉しい。ピーター・ケアリー氏の十一歳の息子であるチャーリーは、『菊次郎の夏』を観て日本文化に興味を持ち、『天才バカボン』の英訳本を持っているらしい。『菊次郎の夏』を観て日本に興味を持つって、なんだかすごいぞ。

 夜、知人と会ってちょいとおシャレたところで食事をする。汚い格好の自分が恨めしい。でもおごってもらっちゃった。へへ。
03年06月05日(木)
 昼、やんごとなき理由で人妻に会う。ぼくと彼女はえろい関係ではないが、彼女自身は相当にえろい女性であり、旦那以外とのセックスに抵抗はないと公言して憚らない。ぼくは自分の恋人が何をしていようと気にしないけれど、ウワキだけは嫌だ。彼女のような女性を妻に持った夫の気持ちは如何様なものなのか、他人事ながら、ちょっと複雑。

 お金に余裕が出来たので、池袋の古本屋を巡って本を買う。文庫や新書ばかり買ったので、数十冊で一万円程度。今日買った本のうち、半分はページを開かれることもなく本棚の奥の方に埋もれてしまうだろう。残りの半分は、最初の数ページだけ読んで本棚の奥の方に埋もれてしまうだろう。さらに残りの半分は、途中まで読んで本棚の奥の方に埋もれてしまうだろう。結局、数十冊の本のうち、最後まで読み通すのは一冊か、よくても二冊だけ。その二冊に出会うために、一万円分の古本を買わなくてはいけない。

 リブロで登山の本を立ち読み。読んでいるうちに、なぜかうんざりしてきた。良く考えてみたら、ぼくは山を登りたいわけではない。山を歩きたいのだ。登山をしたいわけではない。トレッキングをしたいのだ。そっか、トレッキングだ。いやいや、でも「登山」と呼ばれるものにも興味があるぞ。なんだか自分でも分からなくなってきた。どこまでがトレッキングでどこからが登山?

 夜、パトリス・ルコント監督『フェリックスとローラ』を観る。名作ではないかもしれないけれど、とても良い映画だった。シャルロット・ゲンズブールのたるい口元が最高。遊園地で働きたくなった。ぼくは『恋人までの距離』とか、『オネーギン』とか、『大いなる遺産』とか、この間観たばかりの『愛のエチュード』とか、いわゆる「一目ぼれ映画」に弱い。とりあえず一目ぼれしてりゃオッケーみたいな。
03年06月06日(金)
 思いがけず五万円の副収入を得ることになったので、キャンプ道具一式を買おうかと思っています。

 今月号のスタジオボイスを立ち読みしていたら、劇団ペニノの次の公演の記事が出ていた。読んでみると、なんと鉄割の台本を書いている方が客演するとのこと。あの野郎、最近付き合いが悪いと思っていたら、陰でこんなことをしていたのか。是非とも観に行かせていただきます。

 なんとなく気分で、角田光代『今、何してる?』とアーレン・ローナイーヴ・スーパー』を購入。まるで入社したてのOLのようなチョイス。そのままカフェへ。角田光代さんの恋愛エッセイを読んで共感しているぼく。えへっ。我ながら気持ち悪い。でも、この方のエッセイは本当に好き。角田さんはこんな風に言う。「世界中を旅行していると、自分とは違う方法論で生きている多くの人に出会う。そのような人々と多く会うと、「自分がされてうれしいことを他人にもしなさいな」という生き方も、正しいのかどうか分からなくなる。だから私は友達に恋愛の相談とかをされてもアドバイスなんかしない。そのかわりにこう聞く。『今、何してる?何してんの?何をしていますか?』自分とは激しく異なる人たちも、ひとしく『普通に』何かをしていることは間違いないのだから」。

 バリバリの肉食なので、食生活が偏っていけない。今月はフルーツとベジタブルなひと月にしよう。帰りに、キウイとライチとパイナップルとグレープフルーツを買う。たまには贅沢をと思い、いつもより三倍ぐらい高いグレープフルーツを買う。帰宅して食べたらとてもおいしかった。明日も買って帰ろう。
03年06月07日(土)
 学生時代の女友達から、「今日、入籍しました」というメールが来た。学生の頃、その女性とぼくは共通の友達が多かったこともあって、よく一緒に旅行に行ったり遊びにいったりしていた。ここ数年はたまにメールをする程度で、ほとんど顔を合わせてはいなかったけれども、彼女もとうとう幸せになるときが来たようです。いつまでもモラトリアムなぼくは彼女の結婚に複雑な思いを抱いたりもするけれど、心の底から幸せを願っています。末長く、お幸せに。

 古い男友達から、久しぶりにメールが来た。「休日なのにひとりです。やることないから今からオナニーします」という内容。「がんばってください」と返事をした後に考える。世に、友人からオナニーをするという報告を受ける人間がどれだけいるものか。だからいつまでもモラトリアーン。

 梅雨に入る前に一度山を登ってみよう。近場で、それなりに登り甲斐のあるの山、奥秩父の二子山か両神山にしよう。と思っていたら、ちょうど今、テレビでタレントが両神山を登っている。自然の美しい良さそうな山だ。これもきっかけでしょう、明日、晴れていたら両神山に登ろう

 そんなわけで早く寝る。
03年06月08日(日)

 イザナギ・イザナミの二神を祀っているところからその名が付いたと言われる両神山は、深田久弥氏の『日本百名山』によれば、元はヤオガミと呼ばれており、それが八日見(ヨウカミ)と宛字され、さらに竜神山(リュウガミ)に、最後に両神(リョウガミ)山へと変遷していったという。つまり、先に両神山という名が誕生し、後に名に合わせて二神を祀るようになったのだ。初めに名ありき。名に実が伴う。その山に今日、登る。

 六時起床。六時四十五分の電車で所沢へ。所沢で特急に乗り換え、約一時間で西武秩父駅に到着。乗客がぼくひとりのバスに乗り、インディアンのリザベーション然とした秩父の村を過ぎて、日向大谷へ。あまりにも天気が良すぎるのでSoak up the sunなんかを口ずさみながら。

 両神山の山頂に行くには、いくつかのコースがある。今回ぼくが選んだのは、日向大谷から入って、坂本に出るという少しハードなコース。出発に日向大谷を選んだのは、途中の石仏を拝したかったから。出口に坂本を選んだのは、上級コースを経験しておきたかったから。

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 コースタイムは以下の通り。

 日向大谷(9:40) - 会所(10:10)- 清滝小屋(11:08)- 十分休憩 - 山頂(12:20) - 十分休憩 - 東岳(13:00)- 八丁峠(14:10) - 坂本(16:30)

 坂本の終バスが16:39分だったが、ぎりぎりで間に合った。どうして八丁峠から坂本まで二時間以上かかったのかといえば、途中で道を間違えてえらく遠回りしてしまったからで、それさえなければ初心者としてはまあまあのタイムだと思う。

Mountain

 岩場とか鎖場とかを初めて経験したけれども、めちゃくちゃ楽しかった。落ちたらケガするだろうし、下手すりゃ死ぬわけだから怖かったけれども、アスレチックをしているような気分。そのうち痛い目を見そう。

 BGMとして、いつものBTBとかColdCutとか、藤井君にかりたPWEIとか、ムラジとかいろいろ持っていったけれども、意外に良かったのがAOAの「SURFIN’ ALRIGHT」だった。曲の隙間から時折聞こえる両神山の音とAOAの音楽がかなり良い感じにマッチしていて、とても気持ち良かった。AOAを聴きながら岩場なんかを下っていると、どこか遠くの方へ飛んでいけそうな気がして。

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 帰り道、二子山が常に視界に入る。目をそらしても視界に入る。ぼくを挑発しているのか。よし、近いうちに登ってやるぞう。

 そんで今回の山の写真です。面白味のない写真で恐縮です。

 夜、三軒茶屋へ。初めての方々と飲む。山の興奮さめやらぬまま、うんことかセックスとかのお話を。いつもとは違う面子で、とても楽しかった。飲んでいる最中に、筋肉痛でお尻が痛くなり始める。

03年06月09日(月)
 起床。お尻が痛い。太ももが痛い。脹脛が痛い。筋肉痛。昨日の夜、読みながら寝てしまった中村量空著『複雑系の意匠ー自然は単純さを好むか』の続きを、目を覚ましたそのままの姿勢で読み始める。まるで好きな人とセックスをしてそのまま寝て、朝起きてまたセックスをするような心地良さ。頭がまだ正常に働いていないのか、書かれている言葉の意味がランダムに響く。

 ごろごろとしているうちに、ようやく立てるようになる。が、一歩進むだけで足が震える。いってーよ、まじでえ。両肩も筋肉痛になっている。手を握ろうとしても力が入らない。やはり日頃からの鍛練が重要だ。

 昼過ぎ、ロボット歩きで本屋さんへ。今月号の「群像」を立ち読みすると、舞上王太郎氏の新作が掲載されている。うわー読みてー!あとで図書館でゆっくりと読もう。「新潮」を立ち読み。三島由紀夫賞を受賞した『阿修羅ガール』の選評が掲載されている。宮本輝氏がかなりぼろくそに『阿修羅ガール』をこき下ろしている。島田雅彦氏のコメントは相変わらず何かを見透かしたようなお釈迦様気取りでムカツク。

 カフェへ。猿谷要著『歴史物語 アフリカ系アメリカ人』を読む。普通のアメリカ史の本では、一行か二行で済まされるような事件が、かなり詳細に書かれていて勉強になる。「もし、今我々があらゆることをする勇気がなければ、ある奴隷が聖書の中から書き直して、歌に歌ったあの予言の実現が、我々に迫ってくるのだ。”神はノアに虹のしるしを与え給うた。もう水は終わった。次は火だ!”(ボールドウィン『次は火だ!』)

 夜、『ディナー・ラッシュ』を観る。NYのあるレストランの一夜を描いた映画。実際に身近にいたらうぜーっと思うような人物が次々と登場して、面白かった。監督が実際にレストランのオーナーだけあって、レストランや食べ物の描き方がとても上手で、味終えたあとめちゃ腹減った。フードライターのジェニファーが妖怪だった。
03年06月10日(火)

 朝、駅に向かって歩いていると、通りかかった家の塀の内側から「手に取り、読みなさい(Take and read; Tolle, Lege)」という子供の声が聞こえる。あいにくぼくはアウグスティヌスほど素直ではないので、手にも取らず読みもせず。

 近所のペットショップで、ピグミージェルモア(コミミトビネズミ)が12800円で売っているのを発見。相場を考えると、かなり安いと思う。最近、お金を出して動物を買うという行為に抵抗を感じているのだが、あまりにもかわいいので思わず買ってしまうそうになる。本当に小さくてかわいい。どうにか思いとどまる。

 今月の『ロスト・オン・ザ・ネット』は、1972年に『夏の石(The Stone of Summer)』という名作を一冊を出しただけで姿を消した作家ダウ・モスマンの話題。その本に魅了された映画監督マーク・モスコヴィッツが、彼を探し求めるというドキュメンタリー映画『ストーン・リーダー(石の読者)』を撮ったらしい。『夏の石』ってすごく良いタイトル。本も読みたいし、映画も観たい。

 『つげ義春初期傑作短編集』を読む。最後に掲載されているつげ氏へのインタビューによると、彼はもう漫画を書く気はないようだ。以前にも増して乞食への憧憬、厭世観が強くなっている。

 夜、八月の公演のちらしなんかをちょちょいと。すっかりマンネリ化した鉄割のちらし。打開しなくては。

 日々が、変化なく過ぎていく。

03年06月11日(水)
 朝起きて、電車に乗って、仕事をして、電車に乗って、本屋に行って、古本屋に行って、カフェに行って、帰宅して、手紙を書いて、電話で話して、眠りにつく。静かな一日。

 今日古本屋さんで買った本。小松重男著『幕末遠国奉行の日記ー御庭版川村修就の生涯』、久野収・鶴見俊輔共著『現代日本の思想ーその五つの渦』、ホーン川嶋瑶子著『女たちが変えるアメリカ』、今井雅晴著『日本の奇僧快僧』、『日本文学全集31葛西善蔵、嘉村礒多』、以上五冊で二百円。高取 正男、 橋本 峰雄 共著『宗教以前』二百円。以前から読みたかった小熊英二著『単一民族神話の起源—「日本人」の自画像の系譜』も発見したが、ちょっと高い。どこかで1000円ぐらいで売っていないかしら。

 筋肉痛もだいぶ治まってきた。走ろうかと思ったが小雨が降っている。走るのはやめて、傘をささずにお散歩を。ああ、山に行きたい。
03年06月12日(木)

 昨日に引き続き、朝起きて、電車に乗って、仕事をして、電車に乗って、本屋に行って、古本屋に行って、カフェに行って、帰宅して、手紙を書いて、電話で話して、眠りにつく。静かな一日。本をゆっくりと読む時間があって、非常によろしい。

 古本屋さんで藤枝静男著『寓目愚談』を購入。現在のぼくの一番のお気に入りである藤枝静男氏の随筆集。この人はとても良い顔をしているしとても良い文章を書く。手にしただけで身体が震える。

 本屋さんで『本とコンピュータ』の夏号を購入。今号はいつもにもまして素晴らしい記事が多かった。例えば、2002年8月の大洪水で被害を被ったチェコで、水浸しになった書物を救出する人々をレポートした『プラハの書物を救え!』では、書物に対するチェコの人々の特別な気持ちに触れることができるし、読書する人々を撮った木村伊兵衛や土門拳の作品を紹介する『昭和読書の風景』では感動的といってよいほどの「読書する人々」に会うことができる。『デジタル共有地』の、紙媒体の雑誌とWebの両方に関わっている編集者たちの座談会はめちゃくちゃ興味深いし、デヴィッド・ルーリーの『ニューヨークの学生は本が好き』もとてもおもしろかった。一冊丸ごと、興味のない記事は皆無といっていい。

 とことん本を読む学生たちは僕同様、あたりかまわず強迫的に本を買い漁る傾向にあることもわかった。一人ずつかなしげに認めるのは、つい本を買い足してしまうのをどうしてもやめられないということだった。ある英語専攻の学生は、本を買いまくることにとりつかれて詩集ぐらいしか読む時間がないと告白し、エラスムスを引用した。「わずかでも金があれば本を買う。もし残ったら、食べ物を買う」。
『ニューヨークの学生は本が好き』
より
03年06月13日(金)
 古本屋さんでトム・ロビンス著『カウガール・ブルース』を購入。300円。ガス・ヴァン・サントによる映画化は賛否両論、というよりも否の方がかなり多いのだが、原作であるこの小説はかなりおもしろいとの噂。

 夜、なんとなく集まり。とっくに死んでるだろうと思っていたやつらとお酒を飲んだり。皆さんそれぞれに、相変わらず偉そうで安心した。

 帰宅後、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』を観る。みんなが言うほどつまらなくはなかったけれど、途中でおやすみなさい。
03年06月14日(土)
 思いっきり寝坊。午後から仕事。昨日のお酒が残っていて、調子が悪い。おえっぷ。

 職場の人の教えてもらったXoopsというコミュニティサイト構築用ソフト。PHPとMySqlさえ使えれば、かなり簡単にポータルサイトを作れる。モジュール単位で開発・配付できるのが魅力的。覚えておこう。

 夜、昨日飲んだときにほんの少しだけ話に出たカーティス・ハンソン監督の『8mile』を観に行く。ストーリー以外は良い映画だった。アイドル映画だから仕方がないのかもしれないが、ストーリーはかなり最悪。最近の若い人は、あんなくだらないストーリーを求めているのだろうか?夢を追いかける若者が挫折してそれを乗り越えて大人になるとか、本当にどうでもいい。登場人物の行動も発言もシロとクロの関係も紋切り型で退屈。描かれている町の雰囲気やデトロイトの工場はかなり良かった。ブリタニー・マーフィが素晴らしかった。
03年06月15日(日)
 起床。寝惚け眼のまま『戦国自衛隊』を観る。何度観てもおもしろい。現在のCG技術を駆使して、是非ともリメイクして欲しい。途中、ベトナム戦争映画を観ているような錯覚。それにしても、今改めて観るとすごい映画だな、これ。千葉真一と夏八木勲がフンドシ姿で語り合っているし。女性のセリフが一言もないし。

 午後、風呂場で髪の毛を切る。失敗。気を取り直してバイクで渋谷へ。本屋を巡る。渋谷古書センターで「STUDIO VOICE」のバックナンバー(『特集・RADICAL X』)を買う。今からちょうど十年前の号になるが、現在の「STUDIO VOICE」と基本的なデザインは変わっていないのがすごい。カフェで読書。マルコムX(「革命は、妥協を知らず、敵対するもの全てを転倒させ破壊するものです」)とキング牧師(「白人の兄弟たちが何をしようと、私たちは彼らを愛さなければいけない」)が握手をしている写真を観ていたら、急におしっこがしたくなり、トイレに行って用を足して鏡を見ると、切ったばかりの髪の毛が猫の皮膚病みたいになっている。急いで帽子を購入。

 夕方に映画『D.I.』を観る。最高に面白かった。テーマは「中東紛争」。全体は大きく三部に分かれていて、第一部がナザレの人々の日常、第二部が国境での恋愛劇、第三部はよく分からない。ナザレの人々の日常を描いた前半部が特に素晴らしくて、音楽もセリフもほとんど入らず(たまに入るセリフがまた良い)に、静かなユーモアが次々と展開する。正直言って、観終えた後にパンフレットを読むまで理解できなかった部分も多かったけれども、それを差し引いても面白い映画だと思う。もう一度観たい。

 夜、Kさんと飲む。一昨日ぐらいに会ったばかりの方々と一緒に、鉄割本の打ち合わせ。なんとなく良い感じに進んでいるように思うが、完成するまで安心はできない。しかし、どんな話をしていても、山の話をしたくてうずうずして困る。

 二十三時ぐらいで皆と別れるという異常事態に戸惑いながら、持て余した夜の時間を潰すためにまんが喫茶へ。三時間ほどまんがを読む。こばやしてつやの『ラブ・ゴッド』が面白かった。
03年06月16日(月)
 起床。寝惚け眼のまま『映像の世紀 - ベトナムの衝撃』を観る。何度観ても面白い。戦争、暴動、暗殺、スキャンダル、差別、学生運動、まさしく怒濤の六十年代アメリカの映像が次々と映し出される。演説上手のカリスマ大統領と言われたケネディには、何の魅力も感じないけれど、キング牧師の最後の演説は鳥肌が立つし、マルコムXの怒りはブラウン管を通してもビシビシと伝わってくる。この『映像の世紀』という番組、DVDで揃えたい。

 昼、お仕事をもらえるというので千歳烏山へ。焼き肉をご馳走になりながら打ち合わせ。こういうのをパワーランチっていうんだっけ?

 その後、雨に打たれて吉祥寺へ。古本屋さんを巡る。アメリカの女流作家の短編アンソロジー「American Wives - 描かれた女性たち」、新田次郎『槍ケ岳開山』、ユリイカのバックナンバー『クィア・リーディング』、他数冊を購入。『槍ケ岳開山』は、1828年に初めて槍ケ岳の登頂に成功した播隆上人の生涯を描いた小説。どんな山であれ、初めてその山に登った人間というのは、どのような状態におかれるものなのか。その「状態」に興味がある。ユリイカ『クィア・リーディング』。興味のあるジャンルのひとつであるクィア・カルチャーの専門書を探していたところなので、入門書的な意味で購入。

 そのままFloorへ。平日のこの時間は、人が少ないので落ち着いて読書ができる。岩茶を注文。幸せ。

 エキサイトの「ニュースな本だな」、今週の特集は「文学賞メッタ斬り!」。「とにかくこの賞(芥川賞)は選考委員がさあ……。シンちゃん(石原慎太郎)とテルちゃん(宮本輝)! テルちゃんさあ、多分世界文学とか読んでないもん。このひと、いわゆる新しい小説なんてものを絶対読まないひとだからさあ、なんで芥川賞の選考委員をやってるのかわからない」「直木賞選考委員の渡辺淳一先生なんて『永遠の仔』(天童荒太 121回候補作*1999)とか、編集者から口立てでストーリーを教えてもらった噂もあります」などなど。おもろい。

 夜、走ろうかと思ったが、雨が降っているのでやめる。ストレッチをしていたら(ぼくの身体は七十歳の老人よりも硬い)、友人から幸せ報告の電話。二時間ほど話しておやすみなさい。
03年06月17日(火)

 起床。家を出て電車に乗ろうとして初めて、家を出るのがいつもよりも一時間遅かったことに気付く。もちろん遅刻。

 以前の雑記で少しだけ触れた「日本人女性、映画「ファーゴ」の登場人物が埋めた身代金を探索中にミネソタで死亡」という事件について。この事件に関心を持ったあるドキュメンタリーフィルムの監督が、ノースダコタと日本を行き来してKonishi Takakoさんについて調査し、都市伝説化したこの事件の真相を「Death in the snow」という記事でレポートしている。いろいろと思うところあり、可能であれば全文を拙訳してアップしたい。

 まんが喫茶で『神々の山巓』を読む。めちゃ面白い。この種の漫画や小説をもっと読みたいと思って調べてみたら、山岳漫画・小説を紹介している「ヴァーチャルクライマー」というサイトを発見。すごい。これで山岳映画も扱っていれば最高なのに、と思って検索をかけたら、山岳映画を紹介している「Mountain Movie Mania」というサイトがあった。探せば何でもあるものだ。

 登山に向けて運動。体力はそこそこ自信あるが、足腰の筋力が心もとない。というわけで、登山初心者に優しい雑誌『ヤマケイJOY』を参考に、スクワットレッグランジを一日三十回から六十回をノルマとする。

03年06月18日(水)
 今月はベジタリアンに過ごすと決心しておきながら、ミート・イーティングな毎日。やばいやばい。

 ある友人はいつの間にか会社を辞め、ムーミンに会うためにフィンランドへ行っているらしい。今ごろはムーミン谷でニョロニョロの踊り食いなんかを楽しんでいることだろう。心底羨ましい。今年の夏、ぼくはスナフキン・スタイルで決めようと思う。

 シャーマン・アレクシーリザベーション・ブルース』を読む。悪魔と契約してギターの腕を手に入れ、1938年に毒殺されたと言われるロバート・ジョンソン。実は彼は生きていて、1992年、'ジェントルマン'から逃れるためにインディアンのリザベーションにやってくる。ジョンソンのギターはインディアンの手に渡り、彼らインディアンによるブルース&ロックンロールバンド「コヨーテ・スプリングズ」が誕生する。というお話。まだ読み始めだが、やばいくらいに面白い。

 つい最近読んだT・コラゲッサン・ボイルの『おれの行く道は石だらけ、地獄の猟犬がつきまとう』(『血の雨』に収録)という短編もロバート・ジョンソンが主役だった。ほんの数ページの短編なのに、忘れられない迫力があった。1938年、ロバート・ジョンソンの最後の演奏。いくつものイメージを間を挟み、ジョンソンが毒殺される瞬間を描く。語り口を重視する、T.C.ボイル面目躍如の作品。

 ぼくも悪魔に魂を売りたいのだけど。どうすれば良いのでしょう。
03年06月19日(木)

 最近走っていなかったので、走る。いつもの二倍走る。いつもの二倍の速度で走る。暖かくなったせいか、公園のあちらこちらで猫が寝そべっている。その度に小休憩をするので、二倍走ってもあまり疲れない。風が強くて気持ちが良い。

 人生を八十年とすると、ぼくにはまだ五十年という時間が残っている事になるわけで、最後の十年間は田舎で何もせずに瞑想して過ごすとして、残り四十年、年に一度の海外旅行で四十カ国に行くことができるし、月に三十冊の本を読むとすると、14400冊の本を読むことができるし、月に一度登山をすれば480回山に愛することができるし、月に二回美術館に行けば960回の芸術観賞ができる。週に一度美味しいものを食べに行けば1920回の幸せな食事ができるし、週に二本の映画を観れば5760の人生を知ることができるし、週に五回散歩をすれば9600の風景を楽しむことができる。友達が何人増えるか、引っ越しを何回するか、公演を何回行うかなどは分からないけれど、一番気になるのは、あと何回の恋愛と何回の失恋をするかということで、こればかりは一回の恋愛とゼロ回の失恋で終わりにしたいものです。

 藤井君が『新耳袋』のことを書いていたけれど、ぼくが最近はまっているのは「死ぬ程洒落にならない話を集めてみない?」というサイト。2chの某スレッドに書き込まれた話を一話ごとにタイトルをつけて編集したもので、スレッドの数が既に40を越えているだけあって、かなりの数の「洒落にならない話」が登録されている。読み始めると止まらないよ。

 ロッククライミングの訓練をするためのクライミングウォールというものを発見。遊び半分でやってみたら、すぐに手が痛くなって全然登れなかった。しかもなぜか突き指してるし。自宅の近くにロッククライミングの訓練ができるジムはないかと探してみたところ、ロッククライミングジム「ランナウト」なる場所を発見。面白そう。

 今度の日曜日。いろいろと調べものをしたいのだけど、山に行こうかどうか迷っている。雨が降ったら図書館で調べもの、晴れだったら山登りに行こうと思う。

03年06月20日(金)

 去年、何を考えたのかあるカルガモが、ぼくの勤める某大学の建物の屋上畑に卵を産んでしまい、十羽程度のヒナが生まれました。太陽光を遮るものも、水場もない人工的な建物の屋上で、水鳥であるカルガモのヒナが育つわけも無く、日一日とその数は減り続け、結局最後には一羽のヒナだけが残りました。そして今年、一人前のカルガモに成長したそのヒナは、生まれ育った屋上に戻ってきて、自分の親がそうしたように、そこで卵を産みました。

 ヒナ

 今年は最初から、大学側がある程度の準備(水場を用意したり)をしていたこともあって、カルガモのヒナたちにとって去年よりは過ごしやすい夏になりそうです。過酷な場所ではありますが、一匹でも多くのヒナが成長することを切に願います。

 夜、烏山へ。鉄割たちと飲む。勉蔵君はずっと自画自賛をしていて、奥村君はずっと文句を言っていて、戌井さんはずっと早く帰って欲しそうで、操さんはずっと沈黙していて、ぼくはずっとえろいことを話していた。

 みさおさんから八月のちらしの絵を受け取る。とても良い感じ。

03年06月21日(土)

 暑い。暑すぎる。けれども、梅雨とは思えないほど空気が気持ち良い。

 N君から「今池袋にいるんだけど」という電話。ちょうど仕事を終えて池袋へ向かっているところだったので、合流してお茶をする。話をしていると、仕事先からN君に電話。土曜日の夜だというのに、呼び出されて仕事に行ってしまった。忙しくて大変らしいが、少しだけ羨ましいぞ。

 ぼくの中に恐怖を感じる感覚が残っていることを確認するために、『「超」怖い話 A』 を購入。あっという間に読了。ちーっとも怖くないぞう。Amazonのレビューを読んで期待していたのだけど、ちーっとも怖くないぞう。どうすれば怖い思いができるのだろう。やっぱり、真夜中に墓場を歩くとか、怖いトンネルに行ておしっことか、樹海で野ぐそとか、そうしないといけないのかしら。けれども、それってバチアタリなんでしょう。バチアタリなことはしたくないなあ。どうすれば良いのだろう。

 夜、『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』の先行ロードショーに行く。とても面白かった。女性をかわいらしく撮るためだけの演出とストーリーがとても良かった。すべての男は女性の脇役であるべきだと確信した。ルーシー・リュー、最高。

03年06月22日(日)

 起床。山に行くつもりだったけど、時計を見ると十時。断念。昨日借りてきた『スリー・キングス』を観る。改めて観ると、すごいストーリーだなこの映画。やっとスパイク・ジョーンズの役が分かった。大変面白い映画でした。

 部屋を掃除して、手当たり次第に本をバックに詰め込んでカフェへ。予定を立ててどこかへ行ったり、人と会ったりする休日も良いけれど、何の予定も無く、本を読んで過ごす休日もとても楽しい。カフェに入る瞬間、これからの数時間を本を読んで過ごすのだと思うと、わくわくする。山に登るのと同じくらいわくわくする。インドに旅行するのと同じぐらいわくわくする。好きな人と初めてセックスするときと同じぐらいどきどきする。

 先日購入した新田次郎『槍ケ岳開山 播隆&tag=tetsuwarialba-22&index=blended&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211">槍ケ岳開山』を読む。笠ケ岳を再興し、槍ケ岳を開山した播隆上人の生涯を描いた作品。ただ己のために出家し、己のために修業をし、己のために山に登った播隆上人。新田次郎の絶妙な語り口に、上人の惑いを肌で感じる。やばっ。感動しそう。槍ヶ岳の山小屋創設者である穂苅親子による『槍ケ岳開山 播隆』を読んで、史実としての播隆上人も追いかけてみたい。

 『アメリカニズムと神話形成』を読む。アメリカには、国造りとしての神話は存在しない。なぜ、アメリカは神話を持たないのか?そして、神話を持たない国で生まれた文学に、神話批評的な分析を行うことは可能なのだろうか?そんなことを知りたくて読み始める。

 夜、退屈だったので鉄割映画組の飲み会に途中参加。なんとなく不思議な面子だった。

03年06月23日(月)

 五度寝ぐらいして、昼過ぎに起床。気分が悪い。

 久しぶりにまんが喫茶で過ごす一日。『ドラゴンボール』と『バガボンド』を一気読み。その両作品の風景の描き方に感動。

 レスリー・チャンの遺作となった『カルマ』を観る。ちょこっとだけ怖かった。うそ。全然怖くなかった。うそ。一ヶ所だけ怖かった。

 夜は少し精進したり。たまには嫌なこともしないとね。

03年06月24日(火)

 朝、ラジオを聴いていたら、97才でアメリカの高校を卒業したおばあちゃんのインタビューが流れていた。黒人の子供として生まれ、オクラホマで小作農民となり、レイシズムに脅かされてカルフォルニアに移住、十八人の母親となったこのおばあちゃん。1905年生まれの彼女は、二十世紀という時代を通して生きてきたことになるわけだけど、彼女が生きた二十世紀と、これから歴史として語り継がれる二十世紀の間には、どれほどの隔たりがあるのだろうか。ぼくが読み、聞き、観て知る二十世紀と、彼女が経てきた二十世紀は、どこまでが同じ歴史として可能なのだろうか。

 八月の公演のちらしをぼちぼちと作り始める。とてもかわいいと思うのだけど、鉄割共は全員無反応。非常にやり甲斐がある。

pig

03年06月25日(水)

 起床。シャワーを浴びて歯を磨いてテレビをつけたらまだ朝の五時だった。最近、体内時計がおかしい。せっかく早起きしたので、座禅などをして気を静める。まったく静まらない。動きたくて暴れたくて騒ぎたくて叫びたくて仕方がない。

 村上もとか『岳人列伝』を読む。山岳系の漫画や小説に出てくる登場人物って、みなさん死ぬことを全く恐れていないというか、むしろ死にたいんじゃないかという人ばかり。熱いし。生き方熱いし。正直、うざい。もっと軽い気持ちの山岳漫画とか小説はないのかしら。

 雑誌『ヤマケイJOY』のバックナンバーを十冊以上購入。来週ぐらいに、鉄割CM山岳隊の三人で読書会を開くつもり。あの山なんかいいんじゃない、この沢も歩いてみたいよ、あの岸壁も登らないと、などと山談義をするつもり。

」というサイトを発見。外人さんが作るサムライサイト。なかなか丁寧に調べてあっておもろいです。英語がちょっとおかしいけど。Pictureのページで、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の絵がPrince Yamamoto(山本)になっているのが素敵。

 夜、ビールを買って内倉君の家へ。お鍋をいただく。とてもおいしかったです。タコも実はなかなかおいしかったです。でも、ぼくの炒飯の方がおいしいので、今度こそ作ってあげます。ビールを飲んだら酔っぱらってしまい、べらべらとおしゃべりをした。楽しかった。夏の登山の話などを。

03年06月26日(木)

 またもや悪夢の月末です。お金がなくて本が買えないから、Webばかり見てる。

 京都精華大学は、いくつかの講義をテープ起こししたものをサイト上で公開している。しかもコンテンツとしてきちんとまとめあげている。これから大学を受験する高校生にも、講義を受講する大学生にも、もう一度学問を学びたいという社会人にも有用な試みだと思う。すんばらしい。

 Amazon.comのRSSなんてものが公開されている。「こんなものがあったらいいなあ」と思うものって、大抵の場合存在するものなのね。

トレーニング・ディ』を観る。『ドリーム・キャッチャー』のモーガン・フリーマンもそうだったけど、悪徳警官を演じるデンゼル・ワシントンがどうしても悪人に見えない。映画自体はなかなか楽しめた。映画の世界と現実をごっちゃにするつもりはないけれど、ロスのイメージがどんどん悪くなるよう。

 ところで、現在のアメリカのマイノリティで一番人口が多いのは、アフリカ系ではなくて、ヒスパニック系だそうだ。にもかかわらず、そのことがメディアに反映されていないという記事を先日読んだ。記事によると、アメリカの人口の13.5%を占めるヒスパニック系が、テレビに登場する時間は全体のわずか3%であり、これは白人の81%、黒人の15%と比べて不均衡であるという。現在、黒人があらゆるジャンルで活躍できるのは、六十年代の公民権運動以降、彼らがメディアによる不当な扱いを訴え続け、自らがクリエイターとして活躍してきた結果によるものである。いずれ、ヒスパニック系が今の黒人並にテレビや映画や音楽で活躍する時代がくるかもしれないぞう。

03年06月27日(金)

 なぜか微妙に忙しくて。今日からしばらく眠れない日々が続きそう。

 鉄割のサイトは簡単なアクセスログをとっているので、どんなキーワードで検索エンジンから飛んできたのかがわかるのだけれど、よくよく見てみるとエロ系のキーワードが結構多い。たとえば「でかいちんこ」「おばさんのsex写真」「女の太もも」「まんこ 十四才」「犬のちんちん」「おちんちん 診察 コース」「ちんちん おしゃぶり」「フェラチオ大好き」「生で中出し」「フェラチオFLASH」「中年の性」「ウンコ見たい」「少年のチンポ」「オメコ おちんちん」「芸術 まんこ」「三軒茶屋 ヘルス」「局部の画像」「オメコの毛」「女 でぶ めがね」「ぼくはうんこ」「ちんちん丸出し」「すけすけスカート 写真」「炬燵でSEX」「つぼ 早漏」「手コキで射精」「ちんちんをくわえる 写真」「ちんちんをなめ」「奥様のお尻」「テク イかせる」「足なめ」「思春期で勃起」「ホモサウナ」「車 フェラチオ」「キンタマ 疑問 女性」などなど。「勃起した 真一」とか「勉蔵 ちんちん なぜ見せない」「包茎三人組」なんていうのもある。エロい言葉で飛んでくるのは一向に構わないのだけど、期待するものは絶対に見れないわけだから、少々申し訳なく思う。そして、今回こうやってエロいキーワードを羅列することによって、また検索に引っ掛かってしまうわけで。ごめんなさい。

 ふと思ったのだけど、今年に入ってから自費でコンピュータ系の本を買った記憶がない。主な雑誌は職場で購読しているし、必要な書籍も購入してもらえるから、基本的に自費で買う必要はないのだけれど、それでも去年は月に一冊ぐらいは買っていたように思う。ううむ。もしかしてぼく、パソコンに飽きているのかしら。

03年06月28日(土)

今朝目がさめた時、無性にこのまま一日中ベッドの中にいて
本を読んでいたいと思った。
しばらくその衝動と闘った。

それから窓の外の雨を見た。
そして、降参した。
この雨の朝にすっかり身を任せよう。

わたしはこの人生をまたもう一度生きるだろうか。
また同じ許されない過ちを犯すだろうか。
うん、確率は半分だ。うん。


以上、大好きなレイモンド・カーヴァーの詩"Rain"より。
梅雨の朝は、この詩で心を潤します。

03年06月29日(日)

 Yさんを誘って、戌井さんが客演をするお芝居『ダークマスター』を観に下北沢へ。こういうお芝居を観るのって、かーなーり久しぶり。下手すると五、六年ぶりではないかしら。戌井さんのひとり芝居(作・演出ぼく)のアイデアがどんどん湧いてきて、とても有意義な観劇をすることができました。

 終演後、戌井さんとペニス君にご挨拶。ペニス君、とても感じのよろしい方で、新潟にも来ていただけるらしく、今後ともよろしくお願いします。

 劇場を出て、渡部さんと同じ思考回路で「サラダの店マック」へ。おいしく肉食欲を満たしました。

 その後、お酒が飲みたかったので、「Goo(名前違うかも)」という居酒屋へ。入り口に中島君が横たわっていたり、店内には明日のジョーがいたり、お通しが駄菓子だったりしてびっくり。お酒を飲みながら、男がいかに汚くて危険な生き物であるかを、Yさんに滔々と話しました。Yさんの犬の話を聞いていたら、とてつもなく動物が恋しくなりました。どうして動物の話って、こんなに幸せな気持ちになれるのだろう。ぼくは、散歩をしている犬のぷりっぷりっとしたお尻がとても好きです。

 帰宅後、いろいろとやらなくてはいけないことがあったのですが、「忍者ハットリくんサブタイトルベスト・オブ・ベスト」にはまってしまいました。忍者ハットリくんのタイトルを勝手に考えてしまおうというこのスレッド、おもしろ過ぎ。「強制猥褻といわれてもあれは合意の上でござるの巻」「タマ袋がモワモワ動いてござるの巻」「自宅にいても高収入の方法を思い付いたでござるの巻」「ボーカルだけスカウトされたでござるの巻」「下の口はそうは言ってないでござるよ?の巻き」「面白半分に獅子丸を去勢でござる の巻」「今日もコンパで心地よい緊張感でござる、の巻」「かつてないほどの残尿感でござる の巻」などなど。

03年06月30日(月)

ガーナ料理レストラン とても忙しい一日。

 朝からメールを頂いたり電話を頂いたりメールをしたり電話をしたりあっちへ行ったりこっちへ行ったり文句をいったり苦情をいわれたり、原チャで信号待ちしていたらいきなり前の車がバックしてきてクラッシュしたり、午後四時ぐらいまでもうしっちゃかめっちゃかで頭が混乱しまくり。

 夕方、五万円くれるというので赤坂へ。普段はあまり接点のない、不思議な面子がそろっておりました。みなさん悪い意味で場慣れしており、なかなか素敵な自己アピールができたのではないかと。その後、たまたま通りがかったガーナ料理店へ。お酒がとても飲みやすくておいしかった。ボーキサイトってなんなのさとか0割ることの3の余りはいくつでしょう、とか、勉蔵の視力はいくつでしょうとか、学問的な話をしました。この面子で食事をすることは二度とないと思いますが、とても楽しかった。

 今日で六月もお終いですね。来月、再来月はちょっとだけ忙しくなりそうです。がんばろう。みなさんもご自愛ください。


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大根雄
栃木生まれ。
鉄割パソコン担当。
いたりいなかったりする。

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